今日のひとネタ

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当方「はね駒」と「エール」を並べて見てるので

2020年06月10日 | ドラマレビュー
 今期の朝ドラは「エール」ですが、BSPでは朝7時15分から「はね駒」を再放送中。「はね駒」は1986年4月から放送された斉藤由貴さん主演の作品で、「はね駒(はねこんま)」とは「おてんば娘」とか「じゃじゃ馬」ということになりましょうか。主人公は生まれつきそういう性格なのですが、様々な経験をして最後には当時は珍しい女性新聞記者になるという話です。実在の人物がモデルで、舞台は明治中期から大正期にかけて。

 「はね駒」は当時は見ておらず、たまたま再放送2週目に日曜日にまとめて再放送してるのを見て、面白かったので見始めた次第。最初は、おてんば娘が気の向くままに女学校に行ったり英語を習ったり、好奇心と負けん気を発揮して周囲の反対を押し切って新聞記者になるという純粋はつらつ青春ストーリーかと思ってました。

 まず、この主役のおりんちゃんが序盤に経験したことは
・キリスト教の宣教師と知り合い「人間は平等だ」という考え方に衝撃を受ける。
・親が決めた酒屋の若旦那との結婚を断り一旦勘当される。
・親の反対を押し切って仙台の女学校に給費生として入学する。
・持ち前の負けん気で最初はダメだった英語の成績は優秀となり教員の補助もやる。
と、ここまで見て、「このまま新聞記者になるのだとうまく行き過ぎて山場がないなぁ」と思ったりしてました。

 それがその後、
・日清戦争に軍夫として参加したおじが銃弾を受け右腕を負傷、指が使えなくなる。
・そのおじから戦争の悲惨さを知る。
・女学校の生徒たちと三陸沖大津波(明治三陸地震)のボランティアに参加。現場の凄惨さと避難所での大変な状況を目の当たりにする。
・知り合いの宣教師の妻や幼子が津波で亡くなったことを知る。
・津波で両親を亡くし心を閉ざしていた女の子を助け、心を開かせる。
・農家に嫁いだ妹が臨月まで畑仕事にこき使われ難産の末に死亡する。
ということを経験したのが、今までのところ。

 元々は単なる「はね駒」であったヒロインもこれだけ経験すれば、人間性にも多大な影響を及ぼしますよね。そして時代は明治期ですので、まだまだ女性の社会的地位は低かった時代ですが、女学校での教育や様々な経験により、そこに大きな疑問を感じるようになったわけです。この辺は、実在の人物をモデルにしているとはいえ、脚本はうまく書かれています。(偉そうですが…)

 対して「エール」については、「この人ってこんな性格だったっけ?」という事がちょくちょくあり、「大正から昭和の初めってこんな時代なんだっけ?」という感じもあり、どうにも力業だなぁと思う場面が多々。とはいえ、まぁ面白くないこともないので、今では私は「エール」はコメディとして楽しむことにしています。

 脚本がうまくできてるドラマは、画面に映っていないときにも登場人物たちが実際に生活しているんじゃないかと思えます。そこは人物設定とか、感情の描写がきちんとされていて、一貫性があるというか、筋が通ってる場合。どうも「エール」はそういうところは感じないので、すごく脚本が適当という感じはします。それがあるから展開が速いといえるのかもしれません。新時代のドラマなのか?

 今はたまたまこの二つのドラマを見てるので、そんなことを思ったのでした。「はね駒」の再放送は3月の最終週から始まったのでようやく折り返し点くらい。今後の展開が気になるのは、やはり名作なのでしょう。あくまでも最後まで見てから評価しますが。