2024/09/30 読売新聞オンライン
沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する計画を巡り、防衛省は10月中にも、現在中断している大浦湾側のサンゴの移植作業を再開する方針を固めた。政府関係者によると、同省は移植予定海域で水温上昇によるサンゴの白化が見られたため作業を中断していたが、水温の低下で移植後のサンゴがすぐに死滅するリスクはほぼなくなったと判断した。
移設に反対する県は同省の移植申請を不許可としたが、法廷闘争を経て今年5月に許可した。作業に着手した同省は今夏の水温上昇を受けて中断。専門家に意見を求めたところ、9月に発生した台風の影響などで水温は下がっており、リスクの低下が確認できたという。最終的に約8万4000群体のサンゴが移植される。
一方、県は今月4日、移植先となる海域で大規模な潜水調査に初めて乗り出し、「大半が白化している」との調査結果をまとめた。移植先としてふさわしくないと示すことで移設阻止につなげたい考えだが、同省の作業再開に影響を及ぼすかは不透明だ。
同省は、サンゴの移植完了後、軟弱地盤に鋼管を打ち込み、内部に砂を流し込む工法などで約7万1000本の 砂杭すなぐい をつくって地盤を改良する方針だ。