半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

時代は移り変わる

2020年08月25日 | 自分の時間

70歳の農家の高柳さんと「食と命の教室」というのをやっていますが、高柳さんは個人で農業ボランティアを受け入れています。

それはWWOOF(ウーフ)のホスト登録をしている、というのもあります。

ウーフというのは、World Wide Opportunities on Organic Farms「世界に広がる有機農場での機会」の頭文字です。

有機農業を体験する場を提供して、有機農業の事を知ってもらおう、という団体が世界中にあり、日本にもあります。

そのホストは「1日大体6時間ぐらいの農作業の手伝い」をしてもらうことで、「食べ物と寝るところ」を提供する、というもの。

ウーフに参加する人達を、ウーファーとも言います。

で、実は高柳さんのところに2ヶ月滞在している女の子がいます。

18歳の子で、高校を卒業してから大学には意図的にすぐには行かず、「農業を学びたい」という事で来ているそうです。

先日、その理由を聞けたのですが、「環境や温暖化などの問題を考えたら、答えが農業にあると思ったから」という事。

大学に行く前に社会を学ぶというのは外国でもありますが、日本でそんな子が出てきているんですね~。

そして高柳さんとやっている「食と命の教室」には、昨年、女子大生が自費で参加していたのですが、今年も別の女子大生が自費で参加しています。

2人とも社会の問題をきちんと考えていて、専攻も「農村コミュニティー」であったり「社会福祉」だったりします。

その学びの一環でわざわざ「食と命の教室」に参加しているのです。

私の学生時代とは大違いですね

 

「食と命の教室」というのを8年やってきて、20~70代まで幅広い年代が参加しているのですが、自分も主催者ながら大変勉強になっています。

特に、20~30歳前後の子が参加してくるのですが、私がその世代だった頃に比べてよっぽど社会の問題を考えているな~と感心します。

 

団塊世代は戦後の教育を受けて育ちました。

反戦派、反体制派が多いのもこの世代なのは、戦後教育を受けたからです。

ベトナム戦争や安保闘争など学生運動も盛んな世代で、かつ、高度経済成長の波にのり、定年まで会社に面倒を見てもらえた最初で最後の世代です。

私たち団塊ジュニアもその波に乗らされていたわけで、大学に行くことが正しい、という時代でした。

だから大学はそれまで勉強を頑張らされてきたことの反動で、モラトリアムの時期、唯一自分で自由にバイトをしたりサークルをしたり遊び尽くす時代でもありました。

ところが、この2世代の「いわゆる高度経済成長にのって大きな会社に入って」という時代は特別な時代で、もう終わりを告げています。

 

今の若い子の時代は違うのです。

・学校にいっても就職できなければしょうが無い

・会社は自分を守ってくれる場所でもないし、定年なんてないし、1社に勤め続けるなんてことは発想としてない

・年金もどうせもらえない

・そもそも学校に行ってどうするの?

・農業は3Kの代表だった時代は終わり、今はあこがれの仕事

・地球温暖化で毎年異常気象が起きている

・超高齢化、人口縮小時代にどう生きる?

こんなことを考え育っている子が、大学に進む前に立ち止まり、「自分は将来どうしようか?」と考えて専攻を選ぶ。

「有名大学に出て大きな会社に入って」という考えが当たり前、ではない時代になったんですね。

そしてきちんと「これからの社会を地球をどうしたらよいか?」と考えて、自分の意思で学びの場を学校以外に求めて、成田の片田舎の農家さんのところに足を運んでいるんです。

すごいですよね。

尊敬しますよね。

私の学生の頃とは意識が全く違います。

 

団塊世代、団塊ジュニア世代は、自分たちが生きてきた時代が「当たり前」と思っているかもしれませんが、それは特別な期間で、時代は移り変わっています。

今は自分の生計をどう立てていくか、ということを必死に考えていると同時に、社会問題に自分はどう対面していくか、ということを考えている若者が多いのです。

温暖化を初め、多くの社会問題を作り上げてしまった、消費社会を先導してきた私たち大人は、たうちょっと慎ましく生きて、そういった子達を応援する側に回るべきだな~と思う今日この頃です

 

 

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