千葉の成田市周辺で有機農業の中心的な農家集団に「おかげさま農場」があります。20年ほど前に立ち上がった無農薬・無化学肥料を栽培の基本とした農家グループで、この地域ではカリスマの高柳さんという方が率いています。
そしてこのおかげさま農場で、たった1日だけですが、初めて泊りがけで研修をさせていただき、大変濃密な時間を過ごさせて頂きました
1960年代、レイチェルカーソンの「沈黙の春」が発売され、1970年代、有吉佐和子さんの「複合汚染」が発売されるなどの時代の流れもあり、最新の農業に疑問を持つ農家さんが出てきました。そのごく一部の農家さんが、周りの「白い目」を浴びながらも「農薬や化学肥料を使い、消費者はもちろん農家までも身体をむしばれていく農業」に疑問を持ち、有機農業を始めました。
おかげさま農場の高柳さんもその流れを汲む一人です。
高柳さんはカリスマ性をもった親分肌の気さくな方で、大栄という町で日本で史上最年少の若さで町長になった方でもあります。
仲間の農家さんや若手の人の面倒見が良く、またご自宅の横に立てた小屋には、いつも海外からのwwoof(ウーフ・・・ファームステイなようなシステム)で来た外人さんが泊まっています。
そんなところにお邪魔させて頂きました。
今の時期は端境期(はざかいき)で、1年でもっとも野菜が取れない時期の1つです。
なので農作業はあまり無かったので午前中は草取りと落花生を煎るお手伝いをしました。
そこでまず驚いたのが、落花生を選別するのに昔ながらの唐箕(とうみ)を使っていること
唐箕(とうみ)は以前使ったことがありますが(→こちら)、現役バリバリプロ農家さんが使っているとはびっくりしました
ちなみに唐箕(とうみ)は、重みがあるものと軽いものを分けるために、中で風を起こして軽いものは外へ放り出し、重いものは下に重力で落とす、という仕組みの農機具です。
落花生をこの中にいれると、重みのあるもの=中身がつまっているものは下に落ち、軽いもの=中身がつまっていないものは外に飛ばされ、選別ができるという仕組みです。
特に昨年の猛暑で落花生は花を咲かした後の水分が少なく、殻の中の実が入りにくかったそうで「今までで、こんな状態になったことは一度も無いな」とおっしゃるほど、中身が入っていないものが多く出来てしまったそうです。
高柳さんは、ご自身で途中途中試食しながら落花生を入り、そして唐箕(とうみ)で選別をします。この手間暇のせいなのか、おかげさま農場の落花生は激美味です 私は今まで出本当に「この落花生、無茶苦茶美味い」と思ったのはここのだけなんですよ
さてさて、そんな作業をお手伝いしたり草取りをしながらお昼になるとお母さん(高柳さんの奥さん)が昼食をご馳走してくれました
お母さんの漬物(写真右)は天下一品で本当に美味しいのですが、今回は更に「特性カレー」(写真左)も頂戴しました
このカレー、わかめが入っているだけでなく、なんと隠し味に「味噌」と「かつお節」も入っているとのこと
味噌の風味はしないので、言われてみないとわからないのですが、本当に美味しかったですよ
ここでびっくりすることが
電話回線の飛び込み営業が来たのですが、お母さんはまずお茶を出しました。まあ、田舎なら飛び込み営業といってもお茶を出すお母さんはいるかもしれません。
しかし、その後、お母さんは私達にご馳走してくれたカレーライスまで、この見たことも無い初めての飛び込み営業の方に出したのです
これにはびっくり 心が広いとか、寛容というのでしょうが、なんていうのかそういったことが普通に出来てしまうお母さんに本当に脱帽でした。普通、こんなこと出来ないですよね?
田舎の大家族のオープンな家のお母さんだからなんでしょうが、カルチャーショックのようなものを受けてしまいました。。。すごいことだな~。
さて、午後は畑に行って大根の収穫のお手伝い。
2反歩(約600坪)にマルチとビニールトンネルで育てた大根がびっちり植わっていました。
大根は普通はせいぜい1月まで。2月は「霜」があたって葉の付け根あたりが腐ったり痛んだりするんので、売り物にならないのが普通。だから、露地では普通は2月は出しません。
ただお客様の要望もあるので、こういったビニールトンネルをかけて寒さ対策をしながら育てているのです。
その分、コストや手間もかかりますし、売り物にならない比率も上がります。
本当、現場に行かないと農家さんの苦労はわからないものですよね。。。
さて大根ですが、抜くときはそのまま上にひっぱるんじゃなくて、半時計周りに回しながら抜くとすんなり抜けるって知っていましたか?
大根って、そのまままっすぐ育つんじゃないんですよ~。時計周りのように少しずつ回転しながら大きく育つのです。だから、回転させて抜くとネジを抜くように抜きやすいんです。
そうやって抜いた後、痛んだ葉をむしった大根を一輪車に乗せてトラックの近くまで運びます。
そして、傷みが無いかチェックをし、1本1本袋詰めしてコンテナに入れます。
ちなみに今日の収穫は400本ちょっとです。
普通なら、こういったものを1人でやるんですよ~。
ほんと、大変です。
また今回お手伝いさせていただいた3代目農家の石橋さんにお聞きしたところ、おかげさま農場で2代目、3代目は20人ちょっといる中で4人ぐらいしかいないということ
親子に渡って苦労を積み重ねながらここまで野菜を育てることができるようになった土。そんな土がある畑を継ぐ人が本当に少ないのは、やっぱり仕事としては収入が厳しいからです
農家さんの現場にタッチすればするほど、現実の厳しさに直面しますね。。。
・・・続く。
そしてこのおかげさま農場で、たった1日だけですが、初めて泊りがけで研修をさせていただき、大変濃密な時間を過ごさせて頂きました
1960年代、レイチェルカーソンの「沈黙の春」が発売され、1970年代、有吉佐和子さんの「複合汚染」が発売されるなどの時代の流れもあり、最新の農業に疑問を持つ農家さんが出てきました。そのごく一部の農家さんが、周りの「白い目」を浴びながらも「農薬や化学肥料を使い、消費者はもちろん農家までも身体をむしばれていく農業」に疑問を持ち、有機農業を始めました。
おかげさま農場の高柳さんもその流れを汲む一人です。
高柳さんはカリスマ性をもった親分肌の気さくな方で、大栄という町で日本で史上最年少の若さで町長になった方でもあります。
仲間の農家さんや若手の人の面倒見が良く、またご自宅の横に立てた小屋には、いつも海外からのwwoof(ウーフ・・・ファームステイなようなシステム)で来た外人さんが泊まっています。
そんなところにお邪魔させて頂きました。
今の時期は端境期(はざかいき)で、1年でもっとも野菜が取れない時期の1つです。
なので農作業はあまり無かったので午前中は草取りと落花生を煎るお手伝いをしました。
そこでまず驚いたのが、落花生を選別するのに昔ながらの唐箕(とうみ)を使っていること
唐箕(とうみ)は以前使ったことがありますが(→こちら)、現役バリバリプロ農家さんが使っているとはびっくりしました
ちなみに唐箕(とうみ)は、重みがあるものと軽いものを分けるために、中で風を起こして軽いものは外へ放り出し、重いものは下に重力で落とす、という仕組みの農機具です。
落花生をこの中にいれると、重みのあるもの=中身がつまっているものは下に落ち、軽いもの=中身がつまっていないものは外に飛ばされ、選別ができるという仕組みです。
特に昨年の猛暑で落花生は花を咲かした後の水分が少なく、殻の中の実が入りにくかったそうで「今までで、こんな状態になったことは一度も無いな」とおっしゃるほど、中身が入っていないものが多く出来てしまったそうです。
高柳さんは、ご自身で途中途中試食しながら落花生を入り、そして唐箕(とうみ)で選別をします。この手間暇のせいなのか、おかげさま農場の落花生は激美味です 私は今まで出本当に「この落花生、無茶苦茶美味い」と思ったのはここのだけなんですよ
さてさて、そんな作業をお手伝いしたり草取りをしながらお昼になるとお母さん(高柳さんの奥さん)が昼食をご馳走してくれました
お母さんの漬物(写真右)は天下一品で本当に美味しいのですが、今回は更に「特性カレー」(写真左)も頂戴しました
このカレー、わかめが入っているだけでなく、なんと隠し味に「味噌」と「かつお節」も入っているとのこと
味噌の風味はしないので、言われてみないとわからないのですが、本当に美味しかったですよ
ここでびっくりすることが
電話回線の飛び込み営業が来たのですが、お母さんはまずお茶を出しました。まあ、田舎なら飛び込み営業といってもお茶を出すお母さんはいるかもしれません。
しかし、その後、お母さんは私達にご馳走してくれたカレーライスまで、この見たことも無い初めての飛び込み営業の方に出したのです
これにはびっくり 心が広いとか、寛容というのでしょうが、なんていうのかそういったことが普通に出来てしまうお母さんに本当に脱帽でした。普通、こんなこと出来ないですよね?
田舎の大家族のオープンな家のお母さんだからなんでしょうが、カルチャーショックのようなものを受けてしまいました。。。すごいことだな~。
さて、午後は畑に行って大根の収穫のお手伝い。
2反歩(約600坪)にマルチとビニールトンネルで育てた大根がびっちり植わっていました。
大根は普通はせいぜい1月まで。2月は「霜」があたって葉の付け根あたりが腐ったり痛んだりするんので、売り物にならないのが普通。だから、露地では普通は2月は出しません。
ただお客様の要望もあるので、こういったビニールトンネルをかけて寒さ対策をしながら育てているのです。
その分、コストや手間もかかりますし、売り物にならない比率も上がります。
本当、現場に行かないと農家さんの苦労はわからないものですよね。。。
さて大根ですが、抜くときはそのまま上にひっぱるんじゃなくて、半時計周りに回しながら抜くとすんなり抜けるって知っていましたか?
大根って、そのまままっすぐ育つんじゃないんですよ~。時計周りのように少しずつ回転しながら大きく育つのです。だから、回転させて抜くとネジを抜くように抜きやすいんです。
そうやって抜いた後、痛んだ葉をむしった大根を一輪車に乗せてトラックの近くまで運びます。
そして、傷みが無いかチェックをし、1本1本袋詰めしてコンテナに入れます。
ちなみに今日の収穫は400本ちょっとです。
普通なら、こういったものを1人でやるんですよ~。
ほんと、大変です。
また今回お手伝いさせていただいた3代目農家の石橋さんにお聞きしたところ、おかげさま農場で2代目、3代目は20人ちょっといる中で4人ぐらいしかいないということ
親子に渡って苦労を積み重ねながらここまで野菜を育てることができるようになった土。そんな土がある畑を継ぐ人が本当に少ないのは、やっぱり仕事としては収入が厳しいからです
農家さんの現場にタッチすればするほど、現実の厳しさに直面しますね。。。
・・・続く。
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