今週の朝採り野菜ボックスのお手紙です。
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富士山の山頂や北海道では既に雪が積もって秋が少しずつ深まっていますが、ポカポカと暖かい日が続いています
今ぐらいの気温は過ごし易く、畑仕事、お散歩など屋外で過ごすことが気持ち良いですね。昨日は畑仕事の後、我が師匠の高柳さんの家にお邪魔してポカポカ陽気の中で、甘酒を頂きました。というのは昨日は10月17日で神嘗祭(かんなめさい)の日だったからです。
神嘗祭とは秋の実りを神様に感謝する日で、今は神社だけの神事になってしまいましたが、30年ほど前までは農村のどこの家も新穀で作った甘酒を神棚にお供えし、感謝申し上げる日だったのです。高柳家はまだ自分で糀から甘酒を作り神嘗祭をしているのですが、昨日は先週の「食と命の教室」で一緒に糀を仕込んだ参加者もやってきて、みんなで甘酒を飲んだり、余った糀で味噌を仕込んだり、ワイワイ楽しく過ごしました。
また、「俺は柿が好きなんだ。だからどこの家の柿が甘くてどこの家の柿が渋いか全部わかっているんだ」という高柳さんに引き連れられて、ご近所さんの柿の木からたっぷり柿を頂きました。73歳になって柿の木に登り、嬉しそうに大量の柿をもぐ高柳さんのような暮らし、いいですよね~
それにしても10月半ば過ぎでこれだけ暖かい日が多いのは温暖化の影響も大きいのでしょう。
「今年の7月上旬は、過去12万年間で最も高い世界平均気温が1週間続いた」という話がありましたが、日本でも気象庁が「7月下旬からの熱波、九州の積算降水量の増大などは温暖化の影響があった」と発表していました。1997年の京都議定書が掲げられた時は「温暖化はウソだ」と主張するグループもあり、温暖化に関心がある人は無農薬野菜に関心がある人と同じぐらいマイナーでほんの一部でした。それが今は科学的に証明出来る時代に入りましたし、世界中の人が温暖化を肌身で感じられる時代に入ったわけです。
ただ、この肌身で感じられる、というのは、既に「もう温暖化が加速して止まらない状態」とも言えますよね、例えば、南極の巨大な氷床の中で、東側のトッテン氷河は溶けていないと言われていたのが、この3年で15kmも後退していた、ということが今年の調査でわかったそうです。この氷河が全て溶けると世界の海面は3m上昇すると言われています。海面が3m上がると、川崎、江東区、浦安、船橋、千葉といった海岸線沿いはもちろん、千葉県で言えば利根川沿いと印旛沼周辺は水没し、江戸川、荒川など大きな川が通る葛飾区から上流の越谷市までも水没する、というシミュレーションが出ています。
パリ協定で「産業革命以前に比べて世界の平均気温上昇を2℃以内(努力目標1.5℃)に抑える」という目標が掲げられ、ヨーロッパを中心に温暖化ストップを訴えたストライキやデモが繰り広げられた結果、各国がCO2排出量の低減を進めています。日本では7年間減り続けているなど、各国は頑張って減らしていますが、現時点で世界各国が行われている施策では2℃目標に全く届かないのが現状だそうです。
というのは、2030年までに2010年比で世界全体のCO2排出量を約45%削減しないといけないため、削減スピードが遅かったり、削減より経済成長優先の国もまだまだ多いためです。
温暖化を食い止めるために国、企業、地方行政、一市民がそれぞれやるべき事は多々ありますが、大地や自然に感謝し、衣食住をなるべく自給し、柿をもいで日々を積み上げる暮らし。そんな行き方もあるんだよ、という事がもう少し世間に知らせる事が出来れば、「懐かしくも新しい未来」をイメージ出来るかもしれないですよね