半農半X?土のある農的生活を求めて

「生きることは生活すること」をモットーに都会から田舎へ移り住み、農村の魅力を満喫しながら、日々、人生を楽しく耕しています

本:生物と無生物の間

2014年07月11日 | 素敵な本
福岡伸一さんという分子生物学者がいます。

以前、高柳さんから借りた「もう牛を食べても大丈夫か?」という本を書いている人なのですが、この本がとても面白く、誰もに読んでもらいたいな~、と思ったものです。

で、それに影響を受けて買っておいた本「生物と無生物の間」を読み始めたら、これが無茶苦茶面白い


そもそも、「生物と無生物の違いは何か?」なんていうことに関心を持ったことは無いのですが、この人の文体というか物の書き方は、私の知的好奇心をもの凄くくすぐるのです


例えば、「生物は自己修復能力を持つ」という定義になっているのですが、それは何で起きるの?というあたりから、歴史的にどのような科学者がどのような研究や試行錯誤をしながらDNAにたどり着いた過程が書かれているのですが、その過程の人間ドラマが正に「事実は小説に優る」ように面白い


例えば、DNAは4種類のもので出来ているんですって。

4種類で、例えば20種類もあるアミノ酸を決めれるはずがない、なんで?なんで?というところに色々な学者が悩んでいるときに、それがわかったときのドラマなどが無茶苦茶面白い


DNAなんて名前しかわからず、実際にどういうものなのかは全く関心も無かったしよくわからなかったのですが「あ~、遺伝情報ってこうやって伝えられるんだね」ということや「こうやって細胞って修復しているんだね」ということがよくわかりました。

ウイルスについても同様。

インフルエンザってウイルスじゃないですか。

じゃあ、ウイルスとバイキンって何が違うの?なんてよくわからなかった。

ところが、ウイルスは場合によっては単なる物質で、タンパク質とくっつくと遺伝情報を注入して分裂していくだって。

専門家の間でも、いまだにウイルスは生物か無生物かがどちらなのか議論がされているところなんだって。


また、日本で有名な野口英世は、実はそれほど認められていないということ。
というのも黄熱病などの病原体発見など、当時、評価されたことが、のちのちウイルスによるものであったということで、大絶賛され評価をされたことが、後々、間違いだったということがわかったため。

実際に当時の光学顕微鏡ではウイルスを見つけるのは困難で、物理的な問題などもあったそうです。
また、金使いが粗く、女好きで、そういったあたりも残念ながら日本の偉伝記では伏せられているところが、アメリカでは知れ渡っていて評価を受けないそうです。


こんなことが、細かく細かくわかりやすく、歴史的事実を人間ドラマを含みながら小説のように書かれています。

理科や化学の時間に、こういった一級のプロがわかりやすく説明したら、誰でも「へ~」って思って勉強する意味や科学の面白さを知ることが出来るのにな~と思います。

単に教科書に載っている文字面を記憶するのではなく、そこに至るまでの背景、歴史が分かることで初めて「意味・意義」がわかって面白くなる。

どんな教育もこうでなくちゃね。


MITメディアラボの伊藤穰一さんは、幼稚園の頃から決められたルールが嫌いで何度も脱走して、最後はホームスクールで、親が一級の学者を家庭教師に招いて勉強をさせたそうです。

確か11歳ぐらいの時に、有名な物理学者にいろいろ質問を投げかけたら「君はカオス物理学を学びなさい」と言われたそうです。
そこで学んだことがインターネット、そしてビジネスなどにも繋がったといっていました。

きちんと伝えられる一流の学者から学ぶのは、本当に学ぶ楽しさを教えてくれるものだな~、とこういった本を読むとつくづく思います
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

人気ブログランキングへ

人気ブログランキングへ