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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

『そしてミランダを殺す』(ちょっとだけネタバレ)

2018年09月12日 | 本と雑誌
『そしてミランダを殺す』 ピーター・スワンソン著/創元推理文庫


  空港のバーで、行きずりの美女に「妻のミランダを殺したい」と話すテッド。
  酒の上の冗談のつもりだったが、相手の美女リリーは「ぜひそうすべきだ」
  と言い、協力を申し出る。


【ご注意!】
上記のリンク先は東京創元社なので大丈夫ですが、
Amazonではカスタマーレビューが、がっつりネタばらししています。
あれはひどいわ。





             Photo by Pari's Wind



停電の夜に、単3電池でともる100均のスタンドを抱えて
ずーっと読んでいた本。

クールなジャケットと物騒なタイトルに惹かれて
地震の前の週に書店で衝動買いした本だったのですが、非常に面白かった!
冷静に考えると、筋立てはラストのオチまで含めて割と古典的なのですが、
描き方が工夫されていて、何度「おおおっっ?!」と思ったことか。
興奮状態でどんどん読み進めることになり、結局1日で一気読みしました。
こんなの久々です。停電してほかに何もできなかったから、というのもありますが。
文章も読みやすいですし、セクシーなシーンも描き方はマイルドですし、
あと、なぜだか食べ物の描写が具体的で、読んでいてお腹がすきます(笑)
主役の一人リリーは、とんでもなく恐ろしい人なのですが、
知的でクールで信念があるからか、魅力的で頼もしい、と思っちゃうから怖い。

ところで、あまり言及しているレビューがないのですが、
私が一番うわーっと思ってドキドキしたのは、幕切れです。
ある人の手紙で終わるのですが、問題は手紙の内容ではなく、その書き方。
こう書くってことは、この人、ずーっと知っていたの?!
いや、「知ってたよ」とは全然書いていないんですが、私にはそう読めます。
深読みのしすぎかなあ(^^;

【追記】同じことを書いている人を一人見つけました! よかった私だけじゃなかった…

【2019.4.13 追記】2018年の各種ランキングで2位を獲得したそうです! >>> WEBミステリーズ!

コメント
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