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世界の片隅から、愛をささやいてみたり @goo

『マルサの女』

2013年07月24日 | 映画
『マルサの女』 伊丹十三監督作品(1987年)


『Mr.&Mrs.スミス』と一緒に借りてきたDVDで鑑賞。


なぜ今頃『マルサの女』なのかといえば、
先々週の朝日新聞土曜版で特集されていたからです。
この映画の制作当時、日本の国税局査察部には女性は3人しか
いなかったそうで、宮本信子さんはそのお一人に密着し、
マルサの手法を熱心に学び、特訓し、役作りをしたのだとか。
特に、何度も練習していたのが伝票を繰る手さばきで、
でもそれは映画の中では数秒しか映らなかったことに、
女性査察官は感嘆したそうです。


金と欲がテーマの映画な上、伊丹監督の撮り方って
なんか生々しい感じがあって、苦手な方は苦手かもしれません。
(これに比べれば『探偵はBARにいる2』なんてまだまだ上品v)
でも、すっごく面白かった。
25年も前の作品だから、皆さん若い!
小林桂樹さん、大滝秀治さん、大地康雄さん、そして橋爪功さん。
津川雅彦さんなんて、最初わかりませんでした(声でわかった)。


そして、若い山崎努さんが、安田顕さんに似ていてねえ。
声も演技もまったく違うのに、顔は似ているんですよ。びっくりです。
役の上では46歳なんですけど、そうよねえ、昔の40代男性って
こういうイメージでしたよねえ、と思いながら観ていました。
(いまの40代俳優の若くておしゃれでスマートなこと!)


脱税とその摘発を描いてはいますが、
あまり脱税者を憎々しげに描いていないし、
マルサの板倉さんも「正直者がばかを見ちゃいけないから」と
脱税を徹底的に追究するけれど、脱税者を貶めたりしないんですよね。
そこら辺も、痛快一辺倒にならなくて、味があるのかもしれません。


にしても、87年ってずいぶん昔に見えるなあ。
携帯電話が肩掛け式だったり、千円札の裏がまだタンチョウだったり
(ということは野口英世ではなく夏目漱石の時代ですね)
コンピュータがMS-DOSっぽかったり、黒電話だったり、
デジカメではなくポラロイドカメラだったり、
たった25年で社会も技術もものすごく変化したなあ、と思いました。
 

コメント
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