圧倒的な正しさの継承。
この映画の感性が合わないことは百も承知なのだが、MCUのフェーズ4の最後を飾る作品と言われてしまっては観ないわけにはいかない。
主演のC.ボーズマンの急死で、おそらく大きな路線変更を余儀なくされたであろう本作。
蓋を開けてみれば、予想どおりとはいえ、亡き国王ティ・チャラの周囲にいた女性たちが先頭に立って国を率いていく流れは、以前よりも一層時代に即した展開になったのではないだろうか。
ワカンダは永遠。何故永遠なのか?それは、ワカンダは絶対的に正しく、世界がそれに倣っていく世界が理想だから。
前作で世界にその存在を知らしめたワカンダ王国は、国連で大きな発言力を持つようになっていた。
劇中、国連の会議の席でで米国やフランスが、ワカンダのみに所在する鉱物資源のヴィブラニウムの採掘権を他国にも認めるべきだという発言をするが、それに対しワカンダの代表である女王(ティ・チャラの母親)は「あなたたちは信用できない」と言って拒否する。
世界の名立たる各国が辺境の小国ワカンダに一目置く理由。それはワカンダが正しいからではなく、世界を牛耳る財産であるヴィブラニウムを独占しているからにほかならない。
現実の世界ではロシアとウクライナの戦争が泥沼化している。経済制裁で孤立化したロシアがどこまでもつかという話も一時はあったが、天然ガスでヨーロッパ諸国の生命線を握っていることなどから、侵略を諦める様子はまったくない。国連では拒否権を持っているから包囲網が広がることもない。
ワカンダは持てるヴィブラニウムを最大限に有効活用して強かに生き延びてきた。世界や人類の平和へウィングを広げたとしても、そのことは変わらない。
しかし今回突然、同じヴィブラニウムで文明を築いたタロカンという海底王国の存在が明らかになる。ヴィブラニウムというオンリーワンで生きてきたワカンダは一体どうなるのか。
タロカンは中米にルーツを持つ種族のようだ。これまた実に正しい。ヒスパニックの人口、特に移民は急速な勢いで増えてるからね。
タロカン王のネイモアは、ワカンダに対し、力を携えて世界を支配しようと持ちかける。しかしティ・チャラの妹である王女・シュリはそれを拒む。
そうなったら戦って決着をつけよう。タロカンの存在を知らない世界各国は「ワカンダで内戦が勃発」と報じる。
興味深いのは、一貫して正しさを通すワカンダの人たちが決して戦うことを否定していないことである。実際の世の中では、戦禍が広がらないように多少の妥協をしてでも裏での話し合いを続けるけれど、まあ戦闘シーンがないと画にならないとはいえ考えてしまう。
ワカンダとタロカンの戦いの決着の仕方も実に正しい。復讐心に駆られて始めてしまった戦いが誤りであれば改心すれば良い。白人の国は信用できなくても、少数派の民族や人種の人たちなら信用してもいいかもしれない。なぜならワカンダは正しいから。
何を言おうが、どんなに不満を抱こうが、世界は力のある者によって統治され、変えられていく。
前作より戦闘シーンは見やすくておもしろかったです。
(55点)
この映画の感性が合わないことは百も承知なのだが、MCUのフェーズ4の最後を飾る作品と言われてしまっては観ないわけにはいかない。
主演のC.ボーズマンの急死で、おそらく大きな路線変更を余儀なくされたであろう本作。
蓋を開けてみれば、予想どおりとはいえ、亡き国王ティ・チャラの周囲にいた女性たちが先頭に立って国を率いていく流れは、以前よりも一層時代に即した展開になったのではないだろうか。
ワカンダは永遠。何故永遠なのか?それは、ワカンダは絶対的に正しく、世界がそれに倣っていく世界が理想だから。
前作で世界にその存在を知らしめたワカンダ王国は、国連で大きな発言力を持つようになっていた。
劇中、国連の会議の席でで米国やフランスが、ワカンダのみに所在する鉱物資源のヴィブラニウムの採掘権を他国にも認めるべきだという発言をするが、それに対しワカンダの代表である女王(ティ・チャラの母親)は「あなたたちは信用できない」と言って拒否する。
世界の名立たる各国が辺境の小国ワカンダに一目置く理由。それはワカンダが正しいからではなく、世界を牛耳る財産であるヴィブラニウムを独占しているからにほかならない。
現実の世界ではロシアとウクライナの戦争が泥沼化している。経済制裁で孤立化したロシアがどこまでもつかという話も一時はあったが、天然ガスでヨーロッパ諸国の生命線を握っていることなどから、侵略を諦める様子はまったくない。国連では拒否権を持っているから包囲網が広がることもない。
ワカンダは持てるヴィブラニウムを最大限に有効活用して強かに生き延びてきた。世界や人類の平和へウィングを広げたとしても、そのことは変わらない。
しかし今回突然、同じヴィブラニウムで文明を築いたタロカンという海底王国の存在が明らかになる。ヴィブラニウムというオンリーワンで生きてきたワカンダは一体どうなるのか。
タロカンは中米にルーツを持つ種族のようだ。これまた実に正しい。ヒスパニックの人口、特に移民は急速な勢いで増えてるからね。
タロカン王のネイモアは、ワカンダに対し、力を携えて世界を支配しようと持ちかける。しかしティ・チャラの妹である王女・シュリはそれを拒む。
そうなったら戦って決着をつけよう。タロカンの存在を知らない世界各国は「ワカンダで内戦が勃発」と報じる。
興味深いのは、一貫して正しさを通すワカンダの人たちが決して戦うことを否定していないことである。実際の世の中では、戦禍が広がらないように多少の妥協をしてでも裏での話し合いを続けるけれど、まあ戦闘シーンがないと画にならないとはいえ考えてしまう。
ワカンダとタロカンの戦いの決着の仕方も実に正しい。復讐心に駆られて始めてしまった戦いが誤りであれば改心すれば良い。白人の国は信用できなくても、少数派の民族や人種の人たちなら信用してもいいかもしれない。なぜならワカンダは正しいから。
何を言おうが、どんなに不満を抱こうが、世界は力のある者によって統治され、変えられていく。
前作より戦闘シーンは見やすくておもしろかったです。
(55点)
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