秋生のEtude

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『あかい壁の家』 8/10(土) マチネ

2013年08月13日 23時16分57秒 | 舞台
夏休みが始まりました!!

初日はアッキーも出演する、渡辺えりさんの舞台『あかい壁の家』。
2年前の『ゲゲゲのげ』は、2回観たにもかかわらず・・・結局まとまった感想も書けずに終わったし
はたしてこの“えりさんワールド”は・・・楽しみと不安が入り混じった観劇でした。


『あかい壁の家』 2013.8.10(土) 13:00開演 下北沢本多劇場

水原 凡平         中川 晃教   
水原 浪子         高岡 早紀   
北里 修          稲荷 卓央   
東野 笑子         渡辺 えり   
木ノ下 朝子        馬渕 英俚可  
カルラ・雅子オバサン       田根 楽子   
広瀬 卓三(学者)     土屋 良太   
清田 望(助手)      林田 航平   
福島 正夫         佐川 守正   
福島 綾子         藤本 沙紀   
福島 次男         宮島 朋弘   
福島 和男         川口 龍    
演出助手(小林一子)    石田 恭子   
音響・照明(中野和夫)   小倉 卓    
舞台監督(野口武雄)    奥山 隆
振付師(金田美代子)    金宮 良枝
新郎 マコト        形桐 レイメイ
神父 ミチコ        Kyoka
鈴木 香          小出 奈央
高橋 めぐみ        石山 知佳
加藤 しのぶ        泉 佑里奈
会田 加代子        栗山 絵美
今野 淳子         十倉 彩子
牧野 薫          佐藤 友紀
小暮 夕子         大鶴 美仁音
若林 花          瑚海 みどり
熊谷 ユキコ        川波 幸恵
紅嶋 小太郎        若松 武史
大女優           緑 魔子


震災の津波で家を流され、祖父母を失った宮城県の漁師の息子、本間凡平は、ボランティアによって整理された遺品の中から祖父の手紙を発見する。その中には1枚の謎の譜面があった。その旋律に誘われ、凡平はポンペイの劇場「オデオン」に旅立つ…。

冒頭、客席からふっと現れる凡平は、舞台の中央に置かれたキーボードに向かい、古びた楽譜を取りだしそっと弾き始める。けれど、その旋律は途中で途切れてしまう。
・・・その先の楽譜はなくその先は弾くことはできないのだ・・・
と、同じその場所で、味噌会社の面々がその社運を賭けてのミュージカルのオーディションを行う。そこに居合わせた凡平もいつのまにか巻き込まれていく。


うーーーーーん。

いやいやいや、決して簡単ではない舞台でした。
歌ったり踊ったり芝居したり、と楽しい笑いの個所も多々あるのだけれど、いろいろと、考えれば考えるほど、時空を行ったり来たりするその展開が???
納得できる部分と、まったく予期できないことや、つじつまが合うような合わないような個所もあって・・・いくつかのキーワードは散りばめられているのだけれど、舞台を観ている時はその意味がほとんどわからず
少し時間が経ってから、“もしかしたらこれってそういうこと?だったんじゃ??”と思い返すような個所がいっぱいで・・・つくづくえりさんの書く芝居は考えさせられるなぁ、と。

まずは、役者さんたちの感想を簡単に。
凡平/アッキー
どこかオドオドした自信なさげな凡平。祖父の遺品の中から見つけた出すはずだった手紙の中の楽譜。
その謎を知りたくてポンヘイまでやってくる。凡平が弾くピアノの旋律はとても悲しげで、だけど転調をくりかえし、いつか大勢の人たち(なぜか日本人)がそこに集まってくる。
音楽で歌で、人を惹きつけるのはアッキーならではの役だな(えりさんの当て書き?)
小さい時から自分を守ってくれた姉ちゃんに頼る凡平は、本当にまんま“弟”で何度か繰り返される「ねえちゃん~飴っ!!」はもう情けなく可愛くて
そして「もう、うんざりだっ!!」派手な仮面を付けて歌うシーンは、それまでの自分をかなぐり捨てるように思いっきり“俺様”で、ドSなアッキー全開(笑)(←でもカッコよかった!!)
オーデションの最中に大センセイから「君の夢はなんだ?」と問われるシーン。たぶん、すごく意味があったはず・・・

東野味噌社長?/えりさん
冒頭の“エイジング”は歌って踊って・・・(内容はすごーーーーく同意できてしまい、苦笑)すごい運動神経だな~とか思ったけどよく考えたら、映画『Shall we ダンス?』とかでもすっごい踊ってた、と思い出し

お姉ちゃん/高岡早紀さん
最初わからなかった。今までのイメージだと“女”って感じが、本当に生きのイイ、チャキチャキの“お姉ちゃん”で
とにかく細身でスタイルが良くてオトコマエでした。

朝子/馬渕英俚可さん
迷子の花嫁。薄汚れたウエディングドレス。いったい彼女になにが?
彼女の待つ福島の“和夫さん”は・・・たぶんもうこの世にはいない。
朝子がここまで探しに来たのはなんだったんだろう。和夫の死を悟った(本当はわかっていたけど理解したくなかったんだろう)時、彼女がつぶやく「私、なんで生きているんだろう?」というセリフは、泣いたりわめいたりするより哀しさがこみ上げてきました。
後半、何役かを演じているので・・・わけがわからなくて、えっ?ヨシコ?ツボミ?朝子?
それにしても・・・彼女は演技派だ。

カルラ・雅子オバサン/田根楽子さん
楽しいです。観光ガイドもバッチリ。その後の男らしい姿も(笑)
そして最後はエアリーな“妖精さん”・・・ぱた、ぱた、ぱた、と夢にまで出てきそうなインパクト

北里さん/稲荷卓央さん
ちょっと見、寺脇さんに似てるー?目力あるなー。
ラップで歌ったりコミカルなシーンがいっぱい。“唐組”の方らしい・・・けどさすがにわからない。


大女優/緑魔子さん
はっきり言って、この舞台にこの緑魔子さんが出ている、と聞いた時は本当に驚きました!!
だって、ここ下北沢の本多劇場といえば、この緑魔子さん抜きにはありえない場所だから。
・・・私、この本多劇場がオープンした1982年11月、こけら落としの舞台で緑魔子さんを観てます。
それこそは、唐さんが書いた舞台『秘密の花園』。(・・・これに関しては後日)
そして、約30年ぶりに観た緑魔子さんは・・・あの時のまま。本当にかわっていない。
たぶん70歳くらいになられると思いますが、とにかくおかわいらしい。その佇まい、その声、その台詞回しは、まるで少女のようで、それこそまるで妖精。独自のワールドが広がってきます。

そして、これまたすごい
紅嶋小太郎/若松武史さん
あの“天井桟敷”の若松さんにこの本多劇場で会えるとは!!
すっごいメイクで登場した演出家の大センセイは、なんともいえない存在感で(笑えるんだけど)、その後、若かりし頃の演出家として登場した時は、あの目に見えない首輪だけの“犬”を連れ、すごく何かを感じさせられました。
そしてひとつわかったのは・・・彼にとってこの脚本は、ただひたすらツボミさんのために書いた本だったんだね。
(あとで気づいた・・・前に観た『ゲゲゲのげ』に出ていた千太くん(若松力さん)は、息子さんでした

あと、一人。
友達の付き添いでオーデションに来たはずが、芝居に入り込んでしまうすっごい演技力の夕子ちゃん(大鶴美仁音さん)
・・・へっ?本当に唐さんのお嬢さんですか!?


アッキーファンとしては、すごく“当て書き”っぽいなぁ、と。
凡平が宮城県出身で、最初から舞台の上にどーんとあるキーボード(ちゃんと汚れメイクしてある)そしていなくなった和夫の携帯からはモーツァルトの“魔笛”が流れ。
・・・アッキーったら、どんだけえりさんに可愛がられてるんだか(笑)

そして舞台そのものは・・・
前半は結構笑って観ていられたのです。
でも、後半はなんだか息が苦しくなってきて・・・
偶然なのかそうでないのか、オーディションという名目はあるものの、ポンペイという場所に、味噌会社の社員だとか、福島の福島さん一家だとか、結婚式を挙げるカップルとその友人たち、迷子の花嫁、はたまたその地下でその遺跡を調査する学者と助手だとか・・・いろいろな面々が集まってくるけれど・・・
ふっと、あとで思ったのは・・・この人たち、みんな生きてる人じゃないんじゃないの?
耳鳴り。福島。「泣いた赤鬼」。想いを言葉にできない。・・・

凡平の弾くピアノの旋律が引き寄せた?
70年間待ち続けた、という大女優が最後に凡平にいう「あなたが作ったらいい。この曲の続きを」
・・・このために彼はここへ来たのか?


すべては理解できないけれど、とにかくあとからじわじわと、何かが心の中に広がってくるようで。
舞台って、そこにあるものもそこにないものも、観る側がどれだけ想像できるかで見えてくる時があって、作る側はどれだけ想像させられるか、が大事なんだわ、と思いました。




 
コメント (2)
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