2005年の12月に、はじめて観た舞台です。
そして、再演したらまた必ず観よう、と思っていた舞台です。
・・・明るい話ではないし、どこがよかった?と聞かれたら、とにかくこの舞台の照明の使い方は秀逸で
・・・たぶん私が観た舞台の中では最高ハイレベル。ええ、一番好きかも
もちろん、照明だけがよかったわけではありません
ひとりの人間がふたつの人格をもつ・・・その二人を演じ分ける鹿賀さんの熱演が素晴らしく・・・ああ、それがこの公演を最後にもう観られないなんて~っ
と、いうわけで・・・
『ジキル&ハイド』 2007.4.28(土)18:30 日生劇場
ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド 鹿賀丈史
ルーシー・ハリス マルシア
エマ・カルー 鈴木蘭々
ジョン・アターソン 戸井勝海
ダンヴァース・カルー卿 浜畑賢吉
暗闇の中から始まる物語。ほのかな明かりの中で浮かび上がる檻のような病院の一室の前。
“人間の善と悪を分ける薬”その開発によって、最愛の父を救い、人類の幸福と科学の発展を目指すジキル博士。
人々が行きかう19世紀末のロンドンの町並みは暗く灰色。時代を映すようです。
マルシア/ル-シー
あいかわらずの脚線美。セクシー。コケティッシュ。
パブ「どん底」(しかし、すごいネーミングの店ですよね)で繰り広げられるショーは女の私が見ても見応えがあって、思わず息を呑むお色気&女のはかなさを感じる絶妙のエンタ・ショー。「連れてきて」・・・哀愁が漂います。
ただのお客の一人だったはずのジキルの、今までにない優しさに触れ、恋をするルーシー。
もらった名刺を胸に抱きしめる姿、目いっぱい“普通の”格好を装ってジキルの元を訪ねるその乙女のような純情。
・・・かわいいなぁ・・・その可憐さ
なのに、ハイドのマントに包まれ、恐怖と恍惚に目を潤ます女の欲情。
ある意味、ルーシーの中にもふたつの人格が存在してる!?
マルシアの迫力&切ない歌声、好きだな~
蘭々/エマ
ドレスの着こなしが上達してます(笑)
常にジキルを信じて愛して・・・やっぱり見た目よりオトナな女性。(蘭々の見た目が愛らし過ぎて、オトナに見えないんだけど)
きれいなお声なんだけど、周りがみんな存在感が強いせいか、細く感じちゃうのがもったいないな~ちょっと、負けぎみ!?
婚約パーティーでの父(浜畑さん/カルー卿)とのやり取りは、父娘の愛情があふれていて好きです。
戸井さん/アターソン
以前の“人のよさそ~な銀縁メガネ男子”の禅さんアターソンがかなりお気に入りだったので、個人的には、この舞台に禅さんがいないことがちょっとさびしい・・・
しかし!!演出の山田さん曰く「歴代のアターソンの中で一番の男前」の戸井さん。(ちなみに、歴代アターソンは、段田さん、なるしー、禅さん)
・・・たしかに男前でした。正統派二枚目です。お声も素晴らしい。
そして・・・
鹿賀さん/ジキル&ハイド
とにかく存在感が他の人とちがう。
真面目なジキルのときの誠実で優しい印象と、邪悪な狂気で固めたようなハイドではまったくの別人。その“変身”ぶりは本当に身体の中の野生が呼び起こされるようで・・・息遣いさえ、まるで野獣。
凄惨な殺人の場面はもちろん、ルーシーを荒々しく追いつめる暴力的な言動は、本当に怖いです。
でも・・・なにしろ一番怖かったのは、光の当たらない闇にシルエットだけで、ただ無言で立っている姿
そして、ルーシーに問い詰める「あいつ(ジキル)にあって、俺にないものはなんだーっ!!」
この言葉を聞いた時、ああ、ハイドって、殺人に次ぐ殺人の果てに自分に抑えがきかなくなってルーシーを殺すのではなく、ジキルを好きなルーシーを許せなかったんだ、これって“嫉妬”だったんだわ、と気がつきました。
元々、ハイドとしてルーシーに会いに行ったのだって、ジキルではたぶんエマを裏切ることなど考えないだろうし、ハイド=男!?ってことか・・・
そして、怖ろしい迫力のハイドの演技に引き込まれながら、今回一番“おおっ”と感動したのは、ジキルの時の鹿賀さんがハイドの時の自分がした怖ろしい悪行を知り、悔いるように自分を責める表情が・・・切なくて
鹿賀さん、すごい!!ああ、こういう心の内側をきちんと演じて見せてくれるところはさすが!!だと・・・
もちろん、心の抑制がきかなくなって瞬時にジキルとハイドが入れ替わる場面はすごい迫力!!本当にこの人だいじょぶなのかしら?と、その演技力に引き込まれ、息をするのも忘れるほど。
・・・どうしても聴きたかった鹿賀さんの「時は来た」も聴けてもう、大興奮!!
そしてなんといってもこの舞台、アンサンブルさんの力強い歌声、楽曲が素晴らしい。指揮の西野さんも鬼気迫る振りようで、素晴らしかったです。
一幕「嘘の仮面」二幕「事件、事件」は耳に残って、かなりのインパクト大。
(よく響く新聞売りの声にうっとりしてたら、よしつぐさんだった・・・)
終わってカーテンコールでは、自然とスタンディングしていました。
興奮&感動がひしひし。熱い熱い舞台でした。
娘その2に「ねぇ~・・・CD買っちゃダメ?」とねだってみましたが「TSUT○YAに行きなさい」(- -)と、冷ややかに言われてしまいました・・・
・・・わかったわよっ!!
・・・あんたには『MA』のCD買ってあげたのに・・・ブツブツ、ふ~~んだ
とにかく、鹿賀さんファイナル!!
・・・観れてよかったです。後任のジキル&ハイドには候補者がたくさんいるでしょうが・・・私としてはぜひぜひ、できることなら・・・内野さんのジキル&ハイドを希望しているのですが・・・
でも今は、この鹿賀ジキル&ハイドに勝る人はいないかもしれない、という思いでいっぱいです。
舞台装置、照明、音楽、役者さんたちの熱演。
・・・すべてが本当に素晴らしい舞台でした!!
そして、再演したらまた必ず観よう、と思っていた舞台です。
・・・明るい話ではないし、どこがよかった?と聞かれたら、とにかくこの舞台の照明の使い方は秀逸で
・・・たぶん私が観た舞台の中では最高ハイレベル。ええ、一番好きかも
もちろん、照明だけがよかったわけではありません
ひとりの人間がふたつの人格をもつ・・・その二人を演じ分ける鹿賀さんの熱演が素晴らしく・・・ああ、それがこの公演を最後にもう観られないなんて~っ
と、いうわけで・・・
『ジキル&ハイド』 2007.4.28(土)18:30 日生劇場
ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド 鹿賀丈史
ルーシー・ハリス マルシア
エマ・カルー 鈴木蘭々
ジョン・アターソン 戸井勝海
ダンヴァース・カルー卿 浜畑賢吉
暗闇の中から始まる物語。ほのかな明かりの中で浮かび上がる檻のような病院の一室の前。
“人間の善と悪を分ける薬”その開発によって、最愛の父を救い、人類の幸福と科学の発展を目指すジキル博士。
人々が行きかう19世紀末のロンドンの町並みは暗く灰色。時代を映すようです。
マルシア/ル-シー
あいかわらずの脚線美。セクシー。コケティッシュ。
パブ「どん底」(しかし、すごいネーミングの店ですよね)で繰り広げられるショーは女の私が見ても見応えがあって、思わず息を呑むお色気&女のはかなさを感じる絶妙のエンタ・ショー。「連れてきて」・・・哀愁が漂います。
ただのお客の一人だったはずのジキルの、今までにない優しさに触れ、恋をするルーシー。
もらった名刺を胸に抱きしめる姿、目いっぱい“普通の”格好を装ってジキルの元を訪ねるその乙女のような純情。
・・・かわいいなぁ・・・その可憐さ
なのに、ハイドのマントに包まれ、恐怖と恍惚に目を潤ます女の欲情。
ある意味、ルーシーの中にもふたつの人格が存在してる!?
マルシアの迫力&切ない歌声、好きだな~
蘭々/エマ
ドレスの着こなしが上達してます(笑)
常にジキルを信じて愛して・・・やっぱり見た目よりオトナな女性。(蘭々の見た目が愛らし過ぎて、オトナに見えないんだけど)
きれいなお声なんだけど、周りがみんな存在感が強いせいか、細く感じちゃうのがもったいないな~ちょっと、負けぎみ!?
婚約パーティーでの父(浜畑さん/カルー卿)とのやり取りは、父娘の愛情があふれていて好きです。
戸井さん/アターソン
以前の“人のよさそ~な銀縁メガネ男子”の禅さんアターソンがかなりお気に入りだったので、個人的には、この舞台に禅さんがいないことがちょっとさびしい・・・
しかし!!演出の山田さん曰く「歴代のアターソンの中で一番の男前」の戸井さん。(ちなみに、歴代アターソンは、段田さん、なるしー、禅さん)
・・・たしかに男前でした。正統派二枚目です。お声も素晴らしい。
そして・・・
鹿賀さん/ジキル&ハイド
とにかく存在感が他の人とちがう。
真面目なジキルのときの誠実で優しい印象と、邪悪な狂気で固めたようなハイドではまったくの別人。その“変身”ぶりは本当に身体の中の野生が呼び起こされるようで・・・息遣いさえ、まるで野獣。
凄惨な殺人の場面はもちろん、ルーシーを荒々しく追いつめる暴力的な言動は、本当に怖いです。
でも・・・なにしろ一番怖かったのは、光の当たらない闇にシルエットだけで、ただ無言で立っている姿
そして、ルーシーに問い詰める「あいつ(ジキル)にあって、俺にないものはなんだーっ!!」
この言葉を聞いた時、ああ、ハイドって、殺人に次ぐ殺人の果てに自分に抑えがきかなくなってルーシーを殺すのではなく、ジキルを好きなルーシーを許せなかったんだ、これって“嫉妬”だったんだわ、と気がつきました。
元々、ハイドとしてルーシーに会いに行ったのだって、ジキルではたぶんエマを裏切ることなど考えないだろうし、ハイド=男!?ってことか・・・
そして、怖ろしい迫力のハイドの演技に引き込まれながら、今回一番“おおっ”と感動したのは、ジキルの時の鹿賀さんがハイドの時の自分がした怖ろしい悪行を知り、悔いるように自分を責める表情が・・・切なくて
鹿賀さん、すごい!!ああ、こういう心の内側をきちんと演じて見せてくれるところはさすが!!だと・・・
もちろん、心の抑制がきかなくなって瞬時にジキルとハイドが入れ替わる場面はすごい迫力!!本当にこの人だいじょぶなのかしら?と、その演技力に引き込まれ、息をするのも忘れるほど。
・・・どうしても聴きたかった鹿賀さんの「時は来た」も聴けてもう、大興奮!!
そしてなんといってもこの舞台、アンサンブルさんの力強い歌声、楽曲が素晴らしい。指揮の西野さんも鬼気迫る振りようで、素晴らしかったです。
一幕「嘘の仮面」二幕「事件、事件」は耳に残って、かなりのインパクト大。
(よく響く新聞売りの声にうっとりしてたら、よしつぐさんだった・・・)
終わってカーテンコールでは、自然とスタンディングしていました。
興奮&感動がひしひし。熱い熱い舞台でした。
娘その2に「ねぇ~・・・CD買っちゃダメ?」とねだってみましたが「TSUT○YAに行きなさい」(- -)と、冷ややかに言われてしまいました・・・
・・・わかったわよっ!!
・・・あんたには『MA』のCD買ってあげたのに・・・ブツブツ、ふ~~んだ
とにかく、鹿賀さんファイナル!!
・・・観れてよかったです。後任のジキル&ハイドには候補者がたくさんいるでしょうが・・・私としてはぜひぜひ、できることなら・・・内野さんのジキル&ハイドを希望しているのですが・・・
でも今は、この鹿賀ジキル&ハイドに勝る人はいないかもしれない、という思いでいっぱいです。
舞台装置、照明、音楽、役者さんたちの熱演。
・・・すべてが本当に素晴らしい舞台でした!!