脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

ボケ予防教室での小ボケさんと中ボケさん

2007年12月07日 | 各地の認知症予防活動

今日はS保健師さんの手紙をそのまま掲載します。

高槻先生
いつもお世話になり、ありがとうございます。
先生の「生活ぶり」Blogで楽しく拝見させていただいています。

 ○○ぴんしゃん倶楽部も、いよいよ今月教室終了時のテストを
迎えます。平均年齢の高いこの教室では中ボケが一人いました。
教室に中ボケは入れない。入れられないということが、よくわかりました。

 他のメンバーが好きで楽しんでいる折り紙ができないため、
「こんなのは嫌い!こんなことをするんだったらもう来ないからね!」と怒り出すのです。
スタッフ一人がつきっきりにならないといけないし、
「あの人怒ってる・・・」とメンバーが気を使う・・・

 レクリエーションやおやつ作りなどでは、何とか対応できても、みんなが好きな折り紙の雰囲気が悪くなったのがとても痛かったです。

 でも、若手のかくしゃくさんが3人ほどいて、高齢の方にも目を配ってくれているので、どうにかグループとしてもやっていけそうです。(ちょっと大変ですよ)

 もう一か所の△△ぴんしゃん倶楽部では、65歳以下のサポーターを入れて27名です。教室開始前のプレ教室でやった集団かなひろいの不合格者だけでなく、かなの内容把握が駄目だった人,立方体がかけなかった人にも個別テストをしています。追加の参加者にも個別テストをする予定です。
 個別テストの対象者は19名、1回目の教室で11人終了。一番心配だった人は小ボケでした。後は現在のところ皆正常です。
若い人も多く、口コミで隣の地区からも教室開催の要請がきました。楽しみです。ー以下略

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一碧湖(伊豆の瞳ともいわれる小さな湖)を散歩して

私の敬愛するうーさんによる「一碧湖」http://www5d.biglobe.ne.jp/~urara-ka/2007-12/07-12-13.htmlあまりにも違いますね。カメラ技術だけでなく視点が!

昔、エイジングライフ研究所活動のごく初期のことです。
「ようやく小ボケにだまされなくなりました」と北海道の保健師さんから電話をいただいたことがあります。

「教室のはじめ頃には、小ボケというテスト結果が信じられないほど、ちゃんとしていると思ったものです。でもよく考えるとちゃんとしているのはいうことだけ。やってることがちょっと変なんです。」
「例えば?」
「教室の開始時間よりずーと早くくるんです、家族の送迎の都合とかじゃなくて。余程することがないのかなって思えるようになりました。だってカクシャクな人たちはだいたい、駆け込むようにきますから。
それから、慣れたことをするときはいいのですが、ちょっと変わるともう大変。ジャンケンゲームのルールを変えるとか。
料理教室でケーキ作りをやったら、かくしゃくの人は一歩前に出て、小ボケの人は一歩後ろに下がりました。
紅葉狩りに行ったときも、振り返ってあんまり見事なモミジに『すばらしい』と声を上げたらかくしゃくの人は全員歓声を上げ、小ボケの人は『あ、モミジ』と淡々としたものでした。」
「小ボケが目に見えるようね。」
「そういう訳で、もうだまされずに行動でもわかるのですが、やっぱりテストは便利です。早く理解してあげられますから」
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実践の中から、納得できたものは保健師さんたちの本当の力になるということがよくわかりました。