脳機能からみた認知症

エイジングライフ研究所が蓄積してきた、脳機能という物差しからアルツハイマー型認知症を理解し、予防する!

あけましておめでとうございます

2019年01月04日 | 画像だけにたよらない


今年の年賀状(友人用)は、2018年6月のハワイ島マウナケア山頂でのサンライズ写真を使いました。考えてみたらマウナケアは環太平洋の最高峰ですから、この時私たちは、その日の一番早い朝日を見たということになりますね…

四国の友人K藤T司さんからは、こんな素敵なサンライズ写真が届きました。愛媛高知県境、石鎚山系寒風山からの日の出。

顔を出すや否や樹氷を輝かせる朝日。言葉も出すに夢中でシャッターを切り続けたとコメントがありました。

雲海の向こうからの日の出。つまりその先は太平洋ということですね。

こんなに見事な景色も見せていただきました。

K藤さんとは、奥様と知り合ったご縁が先でしたが、もう50年近く前にお知り合いになりました。それから福井県に転勤されたときには「越前ガニを食べにいらっしゃい!」というお誘いに、子供二人連れて即参上したり、東京に遊びに来ていただいたり。四国の実家に帰られた後にも、お邪魔しましたね。
最近はFBという便利なもので、お互いの動静がよくわかります。
直近の写真を紹介しましょう。初登山の記事でした。石鎚山頂神社へ初詣ということですがなんという雪の中!これでも去年よりも雪は少ないとか。


さて今日のテーマです。
こんな見事な写真を見せていただきましたからお礼コメントを送りました。
「ブログをお知らせくださってありがとうございました。たくさん写真を拝見しました。四国の山々もきれいですね!
山登りをしている戸畑高校の同級生がいます。ここからK藤さんのページを見てくれたらいいのですが」
お返事です。
ありがとうございます。頭も体も元気で山登りが続けられるように頑張りたいと思います。ちなみに、昨年、頭のMRI検査結果では『特に悪いところはありません。しかし、申し上げにくいのですが、年相応に脳の萎縮は進んでいます』・・と言われました」

『萎縮』は平常心で受け止められましたか?『脳梗塞がココとココに〇〇個あります』と言われることもよくありますよ。
その時、患者サイドとしての発言はこれですからね。

『年相応に脳にもシワ(萎縮)やシミ(梗塞巣)ができたってことですね。見た目と同じように、脳の見た目も歳とったんですね。それで、私の脳の働きには問題があると言うことでしょうか?(こんなにイキイキ生活してるんだから問題ないですよね!)』
形より働きが大切です!」
お返事
「 『顔にもお腹にもシワが入るんだから、脳だってそうだろうな』と思いました。(その通り!)ただ、働きも低下しているのも事実ですね!」

「歳相応にね」とごく簡単にお返ししました。追加で話させてください。

この画像は、去年NHKテレビ「チコちゃんに叱られる」で使われたものです。
右側が、私たちエイジングライフ研究所のデータで「前頭葉機能(なかでも、意欲、注意集中力や分配力)は20歳前後をピークに低下していく」という事実を表しています。ちなみに左側のグラフはハーバード大学のもので言語能力(単語量)は50歳までは能力を高めていくが、その後はやはり減少していくということを表しています。
つまり、脳の能力といえども加齢の影響を見事に受けるということです。
下の図もみてください。

歳とともに脳の力も老化していくことは紛れもない事実ですが、歳をとった人が全部ボケてしまうわけではないこともまた真実です。正常な老化の先に認知症はありません。
「人生の大きなできごとや生活の大きな変化をきっかけに、それに負けてしまって「ナイナイ尽くしの生活が継続された」時に、老化が加速されてしまい認知症の道へ進んでしまうのです。

私たちは脳を使いながら生活していくのですが、それはちょうど三頭立ての馬車が進んでいくようなものです。
デジタルな情報処理、つまり仕事や勉強を担当する左脳。
体を動かす運動脳。
アナログな情報処理、つまり趣味や遊びを担当する右脳。
どれほど馬の能力が高くても、馬車を上手に動かすためには御者、前頭葉が不可欠です。そして前頭葉こそが自分が自分らしく生きるかどうかのカギを握っています。
K藤さん。
登山を楽しむためには体を鍛えておかなくていけないでしょうし、天気予報も地図も検討されるでしょう。
景色を楽しみ、花をめで、またそれを写真にも撮り、発表の場所もある。お仲間もたくさんいらっしゃるようですね。
K藤さんの馬車は機嫌よく疾走している感じです。若いときほど早くなく、若い時ほど無理ができない…でもそれをコントロールするのが前頭葉ですから。これからも三頭立ての馬車がK藤さんらしく走り続けられますように。
この樹氷の写真もすてきでした。

機能に問題がない(今まで通りの生活が楽しくできている)のなら、器質を調べる(MRIやCTなどの検査をする)必要はありませんから。医療費を押し上げます(笑)
繰り返しますが「機能」には誰にでも正常老化があるので、無駄な心配はしないこと!一般的にいって、正常老化であるかどうかは「意欲があるかどうか」、「自分が自分らしく生きているかどうか」が目安になると思います。

 


 

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