創作日記

 青磁作品を中心に創作しています。
  陶芸作品が出来るまでの過程を、
   日常の暮らしを通して紹介しています。

藤崎個展を終えて ・Ⅱ

2010年10月20日 | 日記

いくつになっても、この歳になっても気分転換の下手な私。
仙台から帰ってから五日経過しているのに、まだ普段の自分に戻っていない。

個展前は作品が揃うかどうかと、胃が痛くなるほど心配し、
焦りに焦って作品を仕上げ選び出し、その勢いのまま仙台に向かった。
私独自のものを、陶芸家の殆どが敬遠する確率の悪い焼き物を追求し、
それらを藤崎デパートの個展で皆様にご覧いただいた。

お蔭様で何とか無事に締めさせていただき、
お客さまからも様々な表現でお褒めのお言葉を頂き、
厳しい状況下ではありましたが、本当に意義のある個展を行わせていただきました。

帰ったら、あれもこれもと計画を練っていましたが、現実はそんなに甘くありませんでした。
緊張の糸が切れてしまったのか、なんだか体が、頭が動かないのです。
個展前には次から次と作品の形が頭の中に浮かんで来ていたのに、
今は何も・・・・・本当に何も浮かんでこない。

Photo_6

   ルッコラ

ご年配のお客さまで、このような質問をされた方がいました。
「 堂前さんは一年に何回個展をするのか? 」と。
「 一人でやっていますので、うまく出来て二回が限度です、作品が揃いません。」と。
「 そうだろうなあ、それが現実だろうなあ・・・。 」と。

実際作品を作っていて、素焼きし、素焼きがうまく上がって釉薬を施し、そして焼成。
窯から出てきた作品すべてが上出来とは限らず、殆どが満足いかない作品。
釉薬が流れたり、窯変作品では自身の欲する出来でなく不合格を出したり。
結局、ご覧いただける作品は、総数の30%位しかない。
とても作品が揃わないのです。

出来ることなら焼いた作品のすべてに合格点を付けたいが、とても無理なこと。
やはり納得のいく作品、喜んでいただける作品となると、
そう簡単に合格点は付けられない。

個展の反省をしながら、次のことを考えようと試みるが、やはり無理。
こんなときは庭に出て、草花をぼんやりと眺めるのが一番。

A_2

   ローズマリー

夏前、友人のアルマンド神父が枝を分けてくれたローズマリー、
彼が教えてくれた通り2本づつ植えたものが、今年の夏の暑さにも負けず、
全部で6本根付いていた。

近寄ってみると、独特の香りが漂ってくる。
このまま大きく成長してくれることを願い、
その傍らを観察してみた。

いつの間に芽が出てきたのか、ルッコラのかわいい若葉がぎっしりと。
それも畑ではなく、プランターの鉢の中にびっしりと。
夏場のルッコラは癖のある、「 えぐみ 」を感じたが、今のルッコラはおいしい。
これなら料理に使えそう、などと考えつつ工房の前を見やれば、

Photo_5

   トラ

トラが午後の穏やかな日差しの中で昼寝。
起こさないように、そ~っとしていたが、私の気配を感じたのか、
大あくびをしてお目覚め。

Photo_4

   大あくび

仙台に行っているあいだ、母が老人車を押しながら来てくれ、
その車輪の、カタカタと音のするのを聞きつけて近寄ってきた、と母の話し。
「 トラちゃん、」と、呼ぶまでもなく、どこからか飛んできて,
母の来るのを待っていたそうな。

私が帰ってからは、いつも家の周りにいるようになった、トラ。
6日~15日まで留守をしていたのに、よく覚えていてくれた。
「 トラ、これから次第に寒くなるけど足の痛みはないか? 」
午後の日差しの中、何も考えずトラの体をなでていた。


コメント (2)
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