第三回 ・鎌倉芸術祭・ に向けての窯焚きを行った。
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煙道から見える、還元炎 |
毎回の事だが、窯を焚く作業に取り掛かると胸がドキドキしてしまう。
かれこれ700回近くも窯焚きを行っているのに、毎回毎回このような精神状態になってしまう。
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温度が高くなった、還元炎 |
いつもと同じように釉薬掛けを行い、
色味も2点用意して炎が均等に回るように窯詰めを行った。
今回は青磁と白磁、早朝から火を入れ徐々に温度を上げていった。
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扉の色味穴から出る、還元炎 |
この窯焚きの数日前に、同じく青磁、白磁を焼いた。
窯の火を止める時点で取り出した 色味、その色がどうしても納得できなかった。
特に釉薬を変えたわけでもなく、データー通りに温度を上げ、
そろそろと思うときに取り出した色味、その色が希望通りの色ではなかったのだ。
私は窯を2基持っていて、その時は大きい窯での作品焼成を行った。
色味を窯から取り出して、熔け具合と色の確認を行ったが納得いかなかった。
と言うよりも、何故?の疑問が湧いてきた。 特に変わった作業をしたわけでもない。
それなのに、いつもと異なった色のテストピース(色味)が出てきたのだった。
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窯のバ-ナー付近 |
美しく、品よく焼きあがるはずの作品、もし色味の色、そのままだったら完全に失敗。
鎌倉芸術祭に出品する作品が多く入っている。
もし色が悪ければご覧頂くわけにいかない。 困った、どうしよう、時間が無い。
幸いに、もう一回窯焚きが出来る量の作品をストック(用意)してあり、
慎重に更に気をつけて、といっても、いつもと同じように釉薬掛けを行い、
小の窯での作品焼成を行った。
ところが、取り出した色味は先日焚いた大窯と同じ色味が出てきた。
なぜ? どうして? 何が間違っていたのか? とショックを感じつつ、窯焚きを終えた。
小の窯の温度が下がると同時に、大の窯の温度も下がって、
同時に窯の扉を開けることとなった。
・・・・・ ハラハラ、ドキドキ・・・・・
ああ、気が重い。 こんなにも緊張して窯の扉を開けるのもどうしたものか、
心臓に良くない! と思いつつも、何とかして良い色が出ているようにと願い、
大と小の窯の扉を開けた。
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焼きあがった作品の一部 |
あれ? いつもと同じ色である。
では色味のくすんだ色は何だったのだろうか。
アレコレと原因を考えてみた。 しかしどのように考えても答えは出てこなかった。
なぜ? どうして? の答えが出てこないのはとても困る。
第三回 ・鎌倉芸術祭・ に出品する作品はとりあえず揃ったが、
窯焚きでの疑問が残ったままである。
何とか次回の窯焚きまでに原因を突き止めなくては。