オペラファンの仕事の合間に パート2

大好きなクラッシック音楽やフィギュアスケート、映画などを語ります。メインは荒川静香さんの美しさを語るブログ。

「屋根の上のヴァイオリン弾き」

2010年11月12日 09時25分52秒 | ミュージカル
フィギュアスケートのGPシリーズ・中国大会が終わって、毎晩、鈴木明子さんのフリー「屋根の上のヴァイオリン弾き」の演技の録画ばかり見ています。ジャンプのミスは残念ですが、それ以外は美しく、特に最後のステップは、まさに芸術的と言って良いでしょう。毎晩、見とれています。

さて鈴木明子さんの昨シーズンのフリーは「ウエスト・サイドストーリー」。そして今シーズンは「屋根の上のヴァイオリン弾き」
ストーリーも曲想も全く異なるミュージカル。単に有名ミュージカルを2年続けて演じているように思ってしまいますが、この性格の異なる2つのミュージカルを結びつける線が1本だけあります。
ジェローム・ロビンス。
「ウエスト・サイドストーリー」で斬新な演出と振付は世間を驚かし、映画化の際はロバート・ワイズ(映画「サウンド・オブ・ミュージック」の監督としても有名)と共同監督も務めています。
そして「屋根の上のヴァイオリン弾き」のオリジナル振付に、そのジェローム・ロビンスの名前があります。「屋根の上のヴァイオリン弾き」の映画を見た時、結婚式の場での「ビンの踊り」には、たいへん驚かされましたが、ロビンズの振付だと知って何か納得するものがありました。
鈴木明子さんが名振付師ジェローム・ロビンスの振付けた傑作ミュージカルを2年続けてフリーに取り入れたことを知って演技を見ていると何か深いものを感じます。

「屋根の上のヴァイオリン弾き」は、ロシア系ユダヤ人作家ショロム・アレイケンの一連の小説「乳売りのテヴィエ」「テヴィエの娘達」などを原作としたものである。
ブロードウェイ初演は1964年9月。1971年には映画化されています。
なお「屋根の上のヴァイオリン弾き」と言う題名はマルク・シャガールの絵の題名から取られたものである。
シャガールの特徴的なサークルが描かれ、手を頭の上にのせて天使が空を飛び、その下にには貧しい家屋の上でヴァイオリン弾きが楽を奏でている絵である。
ユダヤ人のシャガールには、ユダヤの人々の生活は、足場の落ち着かない屋根の上でヴァイオリンを奏でるヴァイオリン弾きのように不安定に思えたのであろうか。世界に散らばったユダヤ人の苦悩のメッセージが込められているのかもしれない。
(あらすじ)
1905年、帝政ロシアの時代。ロシアの小さな寒村アナテフカではユダヤ人が平和に暮らしていた。
5人の娘を持ったテヴィエは、のん兵衛なおやじですが、ひたすら娘達の幸せを思いながら、今日も馬の代わりに自分でに荷車を引き、貧しい酪農業を営んでいる。
そして、いろいろ事情があったが、愛する人と結ばれて行く年頃の3人の娘たちを見送っていくテヴィエ。
だんだんと悪化する政情。
そんなテヴィエの元に、ロシアの巡査部長から全てのユダヤ人は3日以内にアナテフカから立ち退きの命令。留まれば容赦はしない。
断腸の思いで村の人々は持てる限りの荷物を持って村を去っていく。
その中にテヴィエ一家の姿も。
テヴィエ一家の荷車の後を、屋根の上にいたヴァイオリン弾きがトボトボとついていく。
ヴァイオリンの、もの悲しい調べを奏でながら・・・。

映画ではヴァイオリン弾きの奏でるメロディは当時の名ヴァイオリニストだったアイザック・スターンの演奏という贅沢なものである。

今回の鈴木明子さんのフリーでは大きくアレンジされた演奏が使用され、メドレーの様に楽曲が、どんどん流れているので、私自身、何の曲か判別つかない部分がありますが、私がわかった限りの曲名を演技の順番に記載しておきます。
①伝統(しきたり)の歌
②奇跡の中の奇跡
③陽は登り、陽は沈む
④ビンの踊り
⑤もし金持ちならば
まだ何か隠れているような気がします。

鈴木明子さんの次の登場はロシア大会。
中国大会以上に素晴らしい「屋根の上のヴァイオリン弾き」を披露してくれるものと期待し確信しています。

最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
感動~ (ゆっき46)
2010-11-13 17:21:35
オペラファンさん、素晴らしい解説をありがとうございます。
シャガールの絵から取られた題名とかロビンスの振付つながりとか、知って観るのと知らずに観るのでは全然違います
きっと明子さんは解って演じているんでしょうね。
ますますロシア大会が楽しみになりました。
返信する
ゆっき46様へ (オペラファン)
2010-11-13 21:26:51
振付師のジェローム・ロビンスのことを知って鈴木明子さんの演技を見るのと、知らずにいるのとでは大違い。ご参考になってなによりです。
さて「屋根の上のヴァイオリン弾き」に関しては、もう一回、触れるつもりでいます。
と、言うのは今月の3日、このミュージカルの作曲者であるジェリー・ボックが亡くなったばかりだからです。
このミュージカルの舞台になったロシアの地で鈴木明子さんが、「屋根の上のヴァイオリン弾き」を演ずるというのは何か感概深いものを感じます。
返信する
ゴンちゃんのツァイテル (桂川 嵐)
2011-05-14 22:21:41
いつもていねいなご返事、ありがとうございます。ついコメントしたくなるーすてきなブログで、しつこくならないように、コメントはあっさりと、でもでしゃばりなのでバードン。
明子さんの演技はすてき、ジャンプのタイミングがむずかしそうでしたね。次がんばって。
僕にとってフィドラーは、上月晃(ゴンちゃん)が演じたテビエの妻役です。
宝塚出身でカラスが亡くなった1977年当時、パリで活躍中で、女神(カラス)は死んだけどもう一人のディーバが、ここにいると歌唱力のすごさが、舞台関係者に評判でした。
伝説のマリアと日本女性の接点がこんなとこにもあり、日本人はすごいと思います。
返信する
ゴンちゃんのツァイテル (オペラファン)
2011-05-14 23:09:29
行き当たりばったりの、いい加減?な当ブログを「すてきなブログ」とコメントして頂いて、たいへん恐縮しています。
さて半月ほど前、NHK・BSで「懐かしきの大河ドラマ」で「天と地と」が放送されましたが、その中で登場シーンは一瞬でしたが、上月晃さんが登場していました。また私が持っている2007年の東宝ミュージカル「マイ・フェア・レディ」(大地真央さん主演)のプログラムにの上月晃さんがイライザを演じた舞台の写真が掲載されていました。
残念ながら私は上月晃さんの生のステージに接することが出来なかったのが残念です。
さて鈴木明子さん。今年の世界選手権で「「屋根の上のヴァイオリン弾き」を見る事ができなかったのが、やはり鈴木さんのファンとして残念でした。今シーズンのフリーのプログラムは私の大好きなプログラムです。来シーズンも見たいというのが私の本音です。

返信する

コメントを投稿