「あの…。ここへ来られたのはお婆さん、いえ、御祈禱師様のご意思でしたか?」
「ミイラのことを思い浮かべましゅと、ここへ…」
「現れよりましたか?」
「へぇ、現れよりましただ…」
口橋はこのとき、地球上の科学では現実に起こり得ない出来事を信じ始めた。
「署長にお会いには?」
「いえ、まだでごぜぇ~ましゅだ。そういえば、会いたい気分に今、なりよります」
「なりよりますか? ここではなんですので、署長室へご案内いたしましょう」
口橋は暗い霊安室を見回しながら老婆に言った。と、そのとき、不思議にも鳩村が霊安室へ入ってきた。
「署長…」
口橋は怪奇映画を観るように怖くなってきた。
「やあ、お久しぶりです、御祈祷師様…」
「これはこれは、署長様…」
二人は、まるで懐かしい者に会ったような口ぶりで話し始めた。^^
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