夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

都政、無力な都民のひとりの私、とりとめなく思い馳せ、ひとり微苦笑を重ねて・・。

2020-07-06 12:37:00 | ささやかな古稀からの思い

私は東京の世田谷区と狛江市に隣接した調布市の片隅に住む年金生活の75歳の身であるが、
結婚前後5年を除き、都民のひとりとして、この地に70年ばかり過ごしている。

私は政治にも疎(うと)く、近現代史など歴史に興味あるひとりであり、
ここ25年近くは、塩野七生、徳岡孝夫、櫻井よしこ、中西輝政などの各氏を読み、
根幹の私の思想は、塩野七生さんの真似事をすれば、現実的理想主義である、と思ったりしている。

そして政治家は権力と重責が収集するので、一般社会人より遥かに言動が注視され、功罪も追及される人であり、
在任中に功績が7割、罪悪が3割で有ったら、十二分に責務を果たした、と私は評価している。

そして私は25歳の頃から、何かと自民党を信愛してきたひとりであるが、
過ぎし4年前の7月31日に都知事選が実施される前、私は戸惑いながら、思案を重ねてきた・・。
            
この当時の私は、新聞、雑誌、ネットでニュースを読んだり、テレビでニュースを視聴してきたが、
何かしら自民党の都知事の公認候補は、自民党本部ではなく、東京都連が決めると知り、
東京都連の会長は石原伸晃さんであるが、幹事長の内田茂さんが、実質の公認権を持っている、
と学んだりしてきた。

                       

こうした中、東京都議会議員をはじめ、更に東京都選出の国会議員の公認権も、
幹事長である内田茂さんが、指示していると知ったりした。

東京都選出の国会議員は、選挙の時は都議会議員の多大な協力を得て、当選できることが圧倒的に多く、
こうした関係で、東京都連の幹事長の内田茂さんが、都政、そして国政の東京都選出の国会議員まで、
多大な権力を収集していると学んだりした。

そして内田茂さんは、幹事長のポストに2005年以来、10年以上もされながら勢力を拡大し、
都知事が交代したとしても、今でも継続していた。

過ぎし日、舛添都知事が辞任された時は、都議会は与党の自民党(56人)と公明党(23人)の議員が圧倒的が多く、
内田茂さんは、都政、そして国政の東京地区のゴッドファーザーだねぇ、と悪しき妄想を重ねたりしてきた・・。
            
つたない私が発想したは、マリオ・プーゾの小説に基づき、
フランシス・フォード・コッポラが監督した映画『ゴッドファーザー』(1972年)で、
名優マーロン・ブランドが扮したゴッドファーザーであり、アメリカの裏社会の実態を表現した作品である。

          


そして、都知事選に立候補の有力者として、自民党衆院議員の小池百合子元防衛相(63歳)、
自民、公明などが推薦する前岩手県知事の増田寛也元総務相(64歳)、
野党統一候補として擁立されたジャーナリストの鳥越俊太郎氏(76歳)とされていたが、
私は都政を浄化して下さる御方は、小池百合子さんだけだ、と期待して清き一票を投じた。
            

もとより都知事は聳え立つ都庁で、約13,574千人の都民をあずかる東京都の執行最高責任者として、
そして都の約16万5千人の職員の最高責任者として、都民の安全も責務とされる。

そして都民の有権者から、小池百合子さんが新都知事として選出され、
今後の東京都、そして首都の関係で日本のゆくえに影響するので、
有権者の責任も重いが、何より有権者から託(たく)された小池百合子都知事の言動は重責である。

私は小池百合子さんに清き一票を投じた責務として、無力ながら支援し、
小池百合子都知事の言動に注視してきた・・。

やがて小池百合子さんは新都知事として、数多くの難題に奮戦して、
やはり小池百合子さんでなければ・・私は拍手喝采をすることが多かったりしていたが、
この後、国選に出場・・と新聞などで学び、と東京都の難題を放り上げて、
国選かょ・・と思い、これ以来私は苦手の御方
となっている。

          
 
今年の2月の初めの頃、新型コロナウイルスの烈風が日本でも発生して、
この対策として、それぞれの自治体の最高責任者の知事の対応が注目され、
この中で、小池百合子知事も政策力、決断力、実行力が問われたりした。

そして、 密閉空間、.密集場所、密接場面と称せられる「3密」、
或いは「ステイホーム」などのキャッチフレーズを世に浸透させ、
久々に政治家として蘇(よみがえ)ったなぁ・・と私は感じて微苦笑してきた・・。


今回、2020年7月5日に都知事の選挙に伴い、我が家に配布された
東京都選挙管理委員会の発行された『東京都知事選挙 選挙公報』を、
私は10日頃から、各立候補者の選挙公約などを2度ばかり読んだりした。

そして私は少しボケたのか、都政を仕切る『覚悟』が感じられる立候補者は、
残念ながら小池百合子さんしかいなく、今回の都知事選は小池知事の信任選挙だよなぁ・・、
と思い深めたりしてきた。

やがて昨日、私は都知事選の投票所に行き、小池百合子さんに一票を投じた・・。

          

そして帰路、プレジデントオンラインに5月10日に寄稿された佐々木信夫・中央大名誉教授の
『東京都の財政は本当に豊かなのか?』の後半の論説が、蘇(よみがえ)ってきた・・。

《・・
☆財政調整基金を食いつぶす

第1次の都の緊急コロナ対策は、8000億円だったが、
これに協力金向け約1000億円を含む約2000億円が加わる。

そのカネは「財政調整基金」から全額出すとのこと。
この「基金」は家庭でいう貯金箱で、不況などで税収が大幅に減少し
行政サービスが回らなくなる事態を避けるためのカネだ。

財政再建で苦労した石原慎太郎都政4期目、2011年度の3986億円から粛々と貯め
19年度末で過去最高の9345億円まで積んできた。

それを取り崩しコロナ対策で、ほぼ使い切るというのだ。

もちろん、国のように際限なく赤字国債で賄(まかな)うというやり方よりはマシだが、
基金の趣旨からは逸脱している。

「このような危機のときこそ使うべきでは?」との反論もあるかもしれないが、
小池都政は、コロナ禍の前から基金を切り崩して、予算編成をしている。

親が貯めてきた貯金を訳知らずの子が勝手に使うようなものとも言える。
 こうしたやり方は、そう長くは続けられない。

          

もし更なるコロナ対策が必要となるなら、赤字都債に手を出すことになる。
五輪・パラリンピックの延期にも、少なくない予算が必要となる。

この先、ヒトが老いインフラが老いる「老いる東京」問題には、毎年数兆円のカネが掛かろう。
税の大幅減収が予想される新型コロナを受けた不況を前に、「都の気前よさ」は今だけであろう。


しかし、これは平常時の話で、大不況が想定される「コロナ禍」は想定外だ。
税収は大幅減、他方で歳出は大幅増という事態が想定される。  

ここまでの間、オリンピック特需という好況に支えられ税収も好調だったが、
この先景気は、どうみても大きく腰折れしそうだ。

リーマン・ショック後の2009年度は、約1兆円の減収に襲われた。
今回の景気悪化が世界恐慌以来と言われる中で、今年度以降の大幅な減収は避けられない見通しだ。
1兆円規模の歳入欠陥が生まれたらどうするか。

          

☆財政再建団体も視野に

国からの地方交付税を受けていない不交付団体の都は、
好況期には東京富裕論で叩かれるが、不況期は誰も面倒を見ず、自力更生が求められる。

財政再建をめぐる都知事の奮戦は、地方交付税で守られる他の府県と大きく違う。
一年間に1~2兆円の歳入欠陥が生じたらどうなるか。
これまでの経験から、歳出の2~3割のカットをしなければ財政はもたない。

一般会計で5%以上の赤字だと、国から「起債制限団体」(財政再建団体)に指定される。
事実上財政破綻の烙印を押され、国の管理下で財政再建を求められる。

そこでは都民税の大幅増税や都の施設の使用料、各種手数料の大幅値上げが行われ、
一方で職員削減や給与の大幅カット、公共施設の使用制限や廃止、福祉サービス等の切り下げが行われよう。  

そうした財政環境にある都は、決してこの先「富裕団体」とは言えまい。
基金を全部食いつぶし、仮に今回のコロナ禍対策を乗り切ったとしても、次々に難問が待ち構えている。  

石原都政後、猪瀬直樹、舛添要一と短命都政が続き、
小池百合子へのバトンタッチ後も「改革なき都政」が続くが、
この先、本当に大都市東京の経営は大丈夫なのだろうか。・・》

          

私は記事を読みながら多々教示されたりした。


過ぎし年の2015年(平成27年)5月初旬、
松谷明彦・著作の『東京劣化 ~地方以上に劇的な首都の人口問題~』(PHP新書)を購読し、
震撼させられたひとりであった。



新書のカバーにある解説として、
《・・地方の集落の消滅を危惧する声が高まっているが、
これまでの政策の方向性を変えれば、日本の農業や集落を維持する術(すべ)はある。

むしろ、地方よりも東京のほうが、より急激な変化に見舞われると考えられる。
東京の高齢化は、すさまじい。
2040年には、2010年に比べて高齢者が143.8万人増加する。
1.5万人減少する秋田県とは対照的だ。

その結果、東京の貯蓄率は低下し、インフラが維持できず、都市がスラム化するおそれがある。
年金の給付水準は大幅に引き下げられ、その結果多くの高齢者が家を失い、
老人ホームが新たに100万床以上必要になると考えられる。

ならばどうするか。
人口減少問題の第一人者が、欧州の事例も参考にしながら、現実的な処方箋を提案する。・・》

そして帯カバーの裏面には、
■地方は「消滅」しない
■貧しくなる東京
■オリンピックの狂騒の後に残るもの
■日本経済を支えたビジネスモデルの終焉
■1950年代の産児制限が急速な高齢化の原因
■公共賃貸住宅を大量につくれ―――財政への影響は問題なし  ・・など9つ命題が明記されていた。

こうしたことを立ち読みした私は、やがて到来する東京劣化を学びたく、買い求め、
これからの東京を憂いながら、思案してきた・・。

          

私は何かと人生観はプラス思考の為か、
やがて財政で敬愛している経済学者で嘉悦大学教授の髙橋 洋一の寄稿文に思いを寄せたりした。

この寄稿文は 公式サイトの【現代ビジネス】に6月22日、
『小池都知事に勝てるか? 山本太郎氏「15兆円コロナ対策」の現実味 ~東京都の財政から考える~』、
後半の大半を思い浮かべたりした・・

《・・

財政状況をみるには、国も地方自治体も、企業と同様にバランスシートをみるのが、第一歩である。

企業の場合、負債が資産を上回るいわゆる債務超過になると、倒産という危険状況だ。
債務が資産売却によっても回収されないことを意味するためだが、
資産の収益率と負債の調達コストに大差がないので、
資産の収益が、負債の利払費を超過することも同時にわかるからだ。

一方、国の場合、多少の債務超過でも構わない。
というのは、国には徴税権と通貨発行権があり、
これらは、それぞれバランスシート上で明示されない「隠れた資産」になっているからだ。

          

☆「15兆円コロナ対策」の現実味

東京都のような地方自治体は、国と企業の間にある存在だが、徴税権はあるものの通貨発行権はない。

そこで、東京都のバランスシートを見てみよう。
資産34兆6265億円、負債6兆7486億円。
資産負債差額27兆8779億円という「超健全」な財務状況だ(2018年度、

https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2019/08/30/documents/01_01.pdf)。

小池氏のコロナ対策で、財政調整基金が減少したのは、資産の減少であるが、
1兆円くらい減っても、健全財政はびくともしない。・・


          

こうした都の財政を学び、私は安堵をしたりした・・。

今回、小池百合子さんが都知事を再選となり、多事多難な課題があるが、
左手には、選挙で公約された政策の実行、
右手には、政策の実行させる財政、
そして小池百合子さん御自身の都知事としての笑顔があれば・・
これからの任期4年は期待しても良いかしら、と政治にも疎(うと)い私は微苦笑んだりしている。

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