ウィトラのつぶやき

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ソフトバンクが米Sprintを買収?

2012-10-13 15:37:59 | 経済

イー・アクセスの買収に続いてソフトバンクがアメリカの3番目のオペレータSprintを買収するというニュースが大きく報じられている。私はイー・アクセスの買収の時には「さずが孫社長」と感心したし、ブログにもそう書いた。しかし、今回のSprintの話には疑問を感じている。

まず、Sprintはcdma2000のオペレータでありソフトバンクとは使っている技術が違う。更にSprintはNextelと合併しており、Nextelの運用しているiDENは加入者数が急減している。しかもiDENの使っている周波数はAUが使っている周波数と重なっている。これらのことを考えるとAuが買収するほうがずっと理にかなっていると思う。AUの経営者にはそんな大きな決断はできないだろうから、Sprintはアメリカ国内で再編するのだろうと思っていた。

Sprintの運用しているcdma2000もiDENも先の無い技術であり、LTEに置き換えていかなくてはならないことは明らかである。そのためには莫大な投資が必要である。しかし、ここ数年Sprint-Nextelの業績は悪く、LTEへの投資はかなり遅れている。ソフトバンクの事業と相乗効果もそれほど期待できるとは思えず、いずれ消えて無くなる話ではないかと思っている。

この話で興味深いと思ったのは、Sprintの株価が上がってソフトバンクの株価が下がったというニュースに続いて、Clearwireの株価が大幅に上がった、という点である。ClearwireはSprintとケーブルTVの会社の共同出資でWiMAXを運用しているが、WiMAXを見限ってやはりLTEに投資している。しかし、資金不足で業績は悪い。ソフトバンクがこのClearwireを救済するだろうという読みで株価が急上昇したのだという。

このClearwire救済の話しはソフト何国もメリットのありそうな話に思われる。ClearwireのバンドはいわゆるTDDバンドで上り下りの周波数は同一である。このTD-LTEは世界最大のオペレータのChina Mobileがやろうとしており、ソフトバンクもXGPバンドとして日本に周波数を持っている。そしてClearwireの持っているアメリカのバンドはかなり広く、これからの周波数需要の拡大に対しては有力な解決策となりえる。このTDDのシナリオは有力だと思う。

ただし、事業規模で言えばClearwireよりもはるかにSprintのほうが大きい。Sprintの事業をうまく引き継げる自信がないとClearwireのシナリオだけで買収を実行するのはリスクが高すぎると思う。

SprintはEricssonにネットワークの運用を任せている。ひょっとするとEricssonも一枚かんでいるのかもしれないと思う。


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