ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

復興税の是非

2011-04-18 09:03:48 | 社会

政府は復興構想会議を起こして4月14日第1回の会議が開催された。五百旗頭さんという防衛大学校長が議長に選任されている。この人は阪神大震災の時に活躍したそうであるが、私はこの会議の作り方に疑問を持っている。

そもそもこれだけの大震災からの復興を構想するのは政府が主導すべきではないかと思う。防衛大学校長が民間人と呼べるかどうかわからないが、会議自体は民間の会議と位置付けていると思われる。本来政府の中に復興対応組織を立ち上げて震災後一週間くらいで立ち上げるべきではないかと思う。この構想会議の権限と責任のあり方が分からない。

五百旗頭議長は第1回会議終了後に復興税の設立について言及している。まだ何も決まったことはなく、議長の個人的意見だろうと思うが、多くの人が疑問を呈している。そもそも、財源はさておき、どのような復興の東日本の図を描くのかが構想会議の担務のはずで、財源をどうするかが財務相の責任ではないかというのがまず感じる疑問である。

普通は第1回の会議終了後には今後どういう手順でまとめていくかとか、どういうスコープを考えているか、とかを話すのものだと思うが、いきなり財源に触れたことで、如何にも「誰かに言わされた」という印象を受ける。

復興税に関しては賛否両論あるが、反対の急先鋒は竹中平蔵氏である。私自身もこの時期の増税することは反対で、無駄なバラマキである子供手当などを止めて、不足分は国債発行などで補うべきだと思っている。

復興のために一時的には工事など需要が増えて建設業などが潤うだろうが、それが昔の公共事業頼みの会社で倒れかけている会社を助け起こすだけならば復興需要が終わればまた不況になる。産業構造を国際的に戦えるように作り替えることが復興構想会議としてやるべきことだろうと思う。

今朝の新聞に復興税の賛否を問うたアンケート結果が出ているが、毎日新聞では58%、日経新聞では70%が賛成と出ている。税金を取られることに対して賛成が多い、というのはよほどのことだと思うが、震災のあとのメディアの影響が強いのかと思っている。



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6 コメント

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復興のプロセスと現政権 (世田谷の一隅)
2011-04-18 13:15:12
復興資金をどうするかの問題も当然ですが、一番問われているのは菅さんの資質です。しかも、こんな事態になっているのに、自ら「辞める」とは絶対言わないという点で、周辺の評価は一致しているようです。

以前の欄(真っ暗な合同庁舎)で、4年間はきっちりと民主党政権が続くだろうと意見しましたが、花のヤンさんから、「ひょっとすると」の指摘がありました。

政治家のセンスや、このところの動きを見ていると、復興をどうするかというよりも、「この機会に、自分達の思うような政策・政局を如何に展開するか?」が強く表に出てきてしまっている。自民党は、できる限りそれを「悟られまい」と「自重するふり」をしながらも、これだけ、「菅政権の迷走や資質・能力不足」を見ていると、「倒閣」という言葉が現実的に見えてきます。

小沢グループが鍵を持っているのでしょうが、こんな人の率いるグループが引き起こす「政変」が国民に支持されるかどうかです。つまり、最終的には、国民がどれを支持するかです。私自身は、この混乱期の政変は支持しません。自民党が政権に返り咲いても中途半端でしょう。もう暫くすれば、民主党自体が自壊するでしょう。被災地の人はしばらく大変な時期を過ごすことになりますが、次のしっかりした政権が生まれるまでの再生の苦しみの時期と思っています。
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参考になります (花のヤン)
2011-04-18 23:14:37
>被災地の人はしばらく大変な時期を過ごすことになりますが、次のしっかりした政権が生まれるまでの再生の苦しみの時期と思っています。

 なるほど、やっぱり考え方が違いますね。
 私は、増税せずに十分な規模の復興予算を組むならば菅内閣が存続しても構わないと思っているんですが。

 それはさておき、はたして「しっかりした政権」とはどんな政権なのでしょうか?少々気になるところですね。
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しっかりした政権 (世田谷の一隅)
2011-04-19 10:17:26
民主党と自民党を比べると、私は根底の部分で自民党を支持します。これは民主党が政権を取った後の一年半のパフォーマンスで感じた。迷走、曖昧、集合所帯、小沢流等の、悪い面が出てしまった事を見れば明らかです。何となく感じていた民主党流のいい加減さ(良いとこだけ集めてマニフェスト化)が露呈したように見える。

勿論、自民党もある意味では同じようなポイントを内蔵している。そこで、今回下野した機会に、今までの傲慢さを少し反省した上で、文書化(マニフェストで明言)、大胆実行してくれるならば、民主党の欠点を十分補って回復してくれるのではないかと思っています。これが「しっかりした」の意味です。

外交でも中国に阿ったり、(小沢流の胡錦濤詣で、仙石流尖閣列島処理)、アメリカ軽視に走らない流儀を堅持しつつ、下野することになった背景を反省したうえで、政権に返り咲いて貰いたい、と思っています。

だから、民主党が小手先の政策をいじったり、震災をいいことにして延命を図ったとしても、大きな流れさえ変わらなければ、この時期は自民党にとっても雌伏と反省の4年になると思っています。

多くの国民も同じように感じているのであれば、次の総選挙で自民党が復活するでしょう。勿論、民主党や、特に小沢グループでは、それを強く恐れているがゆえに、必死になって政権政党に残る為の模索があるでしょう。

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ところで、増税せずに、国債の発行増で対応すれば、日本の駄目な部分(親方日の丸、非効率な官公庁周辺)が残ったまま、ツケけを先送りすること位になります。「花のヤン」さんは、景気がおかしくなるよりは、そちらの方が望ましいとの意見ですが、私は(ない物ねだりになるかもしれないけど)、原資を公務員給与、外郭団体への支出削減で、しっかりした姿勢を見せれば、多少の増税で乗り切れると思います。国債の増額は、若い人にツケを回す印象が強いだけに賛成したくないです。(自分達の時代で作ったツケは自分達の時代で解決しておきたい)。これは自民党でも民主党でも、どちらでも実行してくれる政党を私は支持します。
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自民党は変わっているのか (ウィトラ)
2011-04-20 10:12:31
震災復興前に総理を変えるのは好ましくないと思っていましたが、世田谷の一隅さんの指摘のような私も今の菅総理はあまりにも自分の立場を守る行動ばかりが目立つと感じていて、「早く変えたほうが良い」と思うようになりました。変えて誰にするかですが、今変えるのなら岡田幹事長だと思います。

私は谷垣総裁指揮下の自民党が世田谷の一隅さんの言う「今までの傲慢さを少し反省した上で、文書化(マニフェストで明言)、大胆実行してくれるならば」をやっているとは思えません。それでも今の民主党よりはましだとは思いますが、総選挙をやるような時期ではないと思います。

経済政策で言えば、長い目で見れば増税は避けられないとは思っています。しかし、公共広告機構の宣伝のおかげで国民が増税を受け入れる雰囲気にあるので増税を今打ち出す、というやり方には違和感を覚えます。今はまず国債を発行して復興に当てる、そのために何をするか、復旧ではなく復興で産業を活性化する政策を打ち出して、続いて消費税増税を打ち出すのが手順だと思います。
これを間違えると倒産が増えて景気はますますひどくなる。

飲み屋や旅館などは既に大変なことになっており、増税を打ち出せばさらにひどくなるでしょう。
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Re:しっかりした政権 (花のヤン)
2011-04-23 09:36:28
 世田谷の一隅さん、ご返事ありがとうございます。
 なるほど、これが「しっかりした」政権ですか。
 ただ、世田谷の一隅さんの指摘した問題点とは、自民党などの政治家だけがしっかりすれば解決できるものではなさそうな気がします。

 また、親方日の丸、非効率な官公庁周辺が残ってもそれほど悪いことではないと考えています。といいますか、それぞれの問題点は個別に検討を行うべきであって、震災復興のついでに一括して直せるようなものではないでしょう。
 たとえば、規制緩和にしても、必要な規制もあるわけですから、個々の規制を実状に合うかどうか等個別に検討して存続・修正・廃止を行うべきであって、一括してできるものではありませんし、これは常に継続して行うべきものです。
 今は早急な補正予算が求められていることもあり、ここで風呂敷を広げようとすることは蛇足ではないかと愚考します。
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Unknown (ドクター国松)
2011-04-23 21:28:47
全く愚かしいことである。これだけの被害を見せられて、助けるために増税されてもいいですか、と聞かれれば普通賛成と答える。

このアンケートに欠けているのは、25兆円の復興債券を発行しても60年で償還すれば良く、年7000億円の財源を確保すればそれで間に合い復興のための増税は必要ないという事実である。

また、増税すればさらに景気が悪化する、というリスクである。
これらの事情を理解したうえでアンケートに応えれば、このような数字には決してならない。

事実を理解しないままに、財政再建論者やこれと通じたマスコミに誘導された結果がこの数字である。

復興債の発行に慎重な連中は口をそろえて財政規律という言葉をだす。

まったくナンセンスである。今は非常時である、言わば車に乗っていて後ろから津波が迫っているような状況である。

財政規律を守るとは、こんな時に赤信号で停止し、制限速度を守れといっているようなものである。

これでは命がいくつあっても足りない。平和ボケし、非常時の何たるかを理解しないバカな官僚や学者の意見を聞いていれば日本という国が無くなってしまう。

日本を愛し守る意思をもつ政治家はどんな手段を使ってでもこの危機的状況の中でバカな増税をしようとする勢力を排除すべきである。

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