ウィトラのつぶやき

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JR北海道をどうするべきなのか?

2013-09-30 09:16:14 | 社会

このところJR北海道が立て続けに問題を起こしている。私は一連の問題の報道を見て「破綻前のJALと似ているな」と感じていた。稲盛さんが乗りこんで行って「全く経営センスがない。これでは八百屋も経営できない」といったような状況を感じていたのだ。

調べてみるとJR北海道はJR東日本とは異なり株式公開していない。国鉄清算事業団が名前を変えた独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が100%保有している。JR四国、JR九州も同様である。この3社は人口の少ない地域を受け持っているので本質的に黒字化が難しい。その一方でサービスの継続性から不採算路線を簡単にやめるわけにもいかず、赤字体質になり易い。実際、今年3学の決算では売上1650億円に対して241億円の赤字だったらしい。これに対して経営安定基金と称して政府が259億円の補填を行い、17億円の黒字となっているそうである。JR九州は黒字化したと言われているので、おそらく支援機構から経営上のプレッシャーを強く受けていて、それが今回のような安全軽視につながったのではないかと思う。

この辺りの感じはやはりJALと似ている。JALの場合には御巣鷹の墜落事故以来、経営者は安全第一に走り、「赤字は補填してもらえるもの」と思っていたふしがある。政治家の圧力で地方にむやみに空港を作り不採算路線を増やした点も似ている感じがする。現在、政府ではJR北海道の幹部の入れ替えを検討しているらしいが天下りで幹部を入れたりすると今度は極端に安全に走りJALと同じようなことになるのではないかと思う。

まず、支援機構が株主としてどういう対応をしていたのか、どういうプレッシャーを与えていたのかを明らかにする必要があると思う。私の直感では、支援機構に何も手を入れずにJR北海道の幹部だけを入れ替えたのではまずうまくいかないだろうと感じている。

鉄道のレール敷設や維持管理にはコストがかかる。人口の少ない地域でそのコストを運賃から出すのは困難である。ヨーロッパでは「上下分離」といって線路の敷設や維持管理は国が行い、その上を走らせる列車は民間企業に任せる、というやり方にしているらしい。日本でも考えて良い方法に思える。


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