ウィトラのつぶやき

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心に響かない菅総理の施政方針演説

2011-01-25 08:11:16 | 社会

通常国会が召集され、菅総理が施政方針演説を行った。私は新聞で読んだりテレビのニュースで見たりしただけだがどうも響いてくるものが無い。

演説は3つの理念を基本としている。「平成の開国」「最小不幸社会の実現」「不条理をただす政治」の3つである。これに菅総理の考え方の特徴が良く表れていると思う。私に言わせれば上記3点は「理念」ではなく「問題解決」である。「最小不幸社会」と「不条理をただす」はあきらかに問題解決である。人材育成で長所を伸ばすやり方と短所をなくすやり方があるが、菅総理のやり方は明らかに短所をなくすやり方になっている。「平成の開国」は少し性格が違うが、中身はTPP参加なので「バスに乗り遅れるな」的発想と見て良いだろう。やはり問題解決型でその先に何があるかは見えていない感じがする。

短所をなくすやり方は順調に行っているときは良いが、現在の日本のように社会が停滞しているときにはこれでは元気が出ない。反転して上昇し始めるというようなことは期待できないだろう。菅総理は元々理念とかビジョンとか言うのは苦手な人だと思っていたので、この演説は想定の範囲内とはいえる。しかしこれでは大きな失敗はしないのだが、これから2年半、日本がこのやり方で行くというのは長すぎる感じがする。それでも鳩山政権で作られた急落の動きは多少緩やかになってきたと私は思っている。

自民党は今選挙をやれば勝てると思っているので解散総選挙に追い込もうとしている。しかしそれでは民主党がダメだから自民党に移るだけである。自民党がダメだから民主党に政権が移ったときと大差ない。今の政治課題に対して自民党ならどうするか、を打ちださないで政権を取ってから考えるという姿勢ではしょせん長続きしないように思う。今回の国会では野党、特に自民党が何を言うか、政治を任せられるようなことを考えているかをマスコミに報道してもらいたいと思っている。

個人的には自民党の総裁が谷垣総裁から石破政務調査会長に変わったあたりで選挙になってくれれば良いと思っている。

 

 

 


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4 コメント

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The opening of Japan (noga)
2011-01-25 11:42:15
最初の開国は明治維新である。二番目の開国は戦後である。三番目の開国はこれからである。


考え方にはいろいろある。自分たちの考え方が理に合わないものであることを証明するのは難しいことである。だが、それが証明できなければ、おかしな考え方を改めることも難しい。

http://www11.ocn.ne.jp/~noga1213/
http://page.cafe.ocn.ne.jp/profile/terasima/diary/200812
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今の状況では自民党は総選挙で勝てない。 (世田谷の一隅)
2011-01-25 15:50:14
谷垣さんは「平時の宰相」としては務まるかもしれないが、今の自民党は「平時」ではなく「戦時」の状況のはず。

菅さんに「華」がないのと同じくらいに(いやそれ以上に)、谷垣さんにも「華」がない。だから、「一度任せてみよう」という国民がまだまだ増えていないと思う。やはり「公家」と呼ばれるレベルのリーダシップしか感じられない。

そんな状況で、解散、総選挙があったとしても、大勝ができなければ、不安定政権ができるだけで、大した施策が打てないと思う。自民党内にも谷垣さんに対する信頼感が少ないようだが、「いったい誰が谷垣さんを党首に選んだのか?」と言いたい。

だから、もう少し、「しっかりしたリーダ」が出てくるまで、民主党のふらふら政権が続くのはやむを得ないでしょう。問題は、民主党の脆弱さ、政策の矛盾を或る程度認識しながら、政権へ押し上げたマスコミと国民の反省が感じられないこと。

政権に対して不満を言っていればいいという態度では、この先、「ましな」政権は期待できない。つまり、国民のレベルと政権のレベルは低迷したまま、韓国や中国のリーダの様に、戦時の舵取りを期待できない国の低迷が続きそうだという事。両国の国民を見ていると、私の知人レベルの話だから、それほど多くの人ではないが、胡錦濤さんや李明博をリーダとして動いていることに、国民が誇りを感じている。これが日本と違う点。

そこで石破さんというのは面白い選択肢ですが、石破さんは、ストレートなものの言い方をするけど、「大きな改革ができるのか?」という点で未知数ですね。
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格差の縮小 (世田谷の一隅)
2011-01-26 12:44:15
民主党の中でも菅首相が目指しているのは、最小不幸社会の実現と表現されている。或る意味で、面白い着想だが、その為に格差の是正を挙げている。

格差の是正は、なんとなく万人受けしそうだが、格差を少なくするには、底辺を上げることと、先端を鈍らせる事で実現する。日本での失われた20年と表現される経済の沈滞は、結局、この先端を鈍らせることで、格差が図らずも縮小したことを示しているようだ。

日経BPがその辺りをうまく解説している。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20110117/217975/
これをみても、やはり民主党を選んだ国民(それを期待したマスコミ)が、当面続く経済の不振は我慢せざるを得ないでしょう。格差は縮小するは、経済は伸びるはというのは二兎の追い過ぎです。民主党は、マニフェストで掲げたことを何とか実現しようとしている。その為に、足りない分は国債発行という手段を用いて。「世間の常識、国際経済、経済原則」がそれを阻んでいるだけのこと。国民全体が意識を変えるのは時間とエネルギーがかかりそう。

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今選挙をやればぎりぎり (ウィトラ)
2011-01-27 09:09:48
世田谷の一隅さん、

菅総理の基本的スタンスは弱者救済にありその意味で格差縮小を言っていると思います。金持ちをなくすことで格差を縮小しようとしているとは思っていません。だからこれ自体は政治家として十分にあり得る発想だとおもいます。
ただ、その実現のために大きな構想を持って多くの細かい政策を組み上げる、と言った構想力が無いので「困っている人にお金をあげよう」というような直接的な行動案になる。財政が苦しい中でこれをやろうとすれば金持ちから取るしかない、という考え方に落ち着いてしまう、というところだと思います。私はこういう国民に政府がお金を渡すという考え方には基本的に反対です。

今選挙をやればぎりぎりだという見方には賛成です。でも自民党は勝てると思って解散ばかりを求めている。これは、政治家に対して国民の声が届かないところに問題があり、国民の責任というよりはマスコミの責任だと思います。

マスコミの質はどんどん下がってきている。これはインターネットに広告費取られて経営が苦しくなっているのが大きいと思います。その分、ネットを使って国民が意見を出すことが必要になってきていると思っています。
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