スニーカー履いて

‘猫’も歩けば・・・今日はどんな出会いが?

馬込街歩き③

2009-07-15 | 東京・川崎

「まちあるき地図」があれば何とかなるサ、と
軽い気持ちで歩き始めたのでしたが・・


所謂 道路地図と違い、通りの名も交差点の名も
番地も書いてないので、おおよその方角は
わかるもののどこで曲がればいいものやら??
・・・甘かった!


日差しの中とて道往く人も殆どなく・・・と、折り良く
少し先を行くご婦人を見つけたので追いかけて行って
道をお尋ねすると、「私もこれから行くところです。」
何とラッキ~!!


という僥倖に恵まれ、行き着いたのが「龍子公園」。
更に運良く、ちょうど係りの人が門の鍵を開けて
これから園内を案内してくださるところでした。

2つの神社にきちんとお参りしたご利益があったかも♪


<龍子公園>
日本画の巨匠 川端龍子画伯が自ら設計されたという
住まいと庭園をほぼ当時の姿のまま保存し、時間を
限って係りの人の案内で一般に公開しています。
(火曜~日曜 11時・13時・15時)
    
龍の鱗をイメージしたという敷石のアプローチを通って玄関へ。





玄関横から入ると、武蔵野の面影を宿す庭園と居室。


設計が画業以外の唯一の趣味だったそうで、細部に到るまで
芸術家のセンスと吟味を尽くされた材料・・溜息が出ます!

随所に竹が用いられ、歳月を経て独特の色と風合いを醸しています。

月の光を透かして楽しまれたという飾り窓



畳の敷き方が独特なのにお気づきでしょうか。
縦横の縁の合わせ目が卍になるように工夫されています。


枯山水の石組みを巡ってアトリエへ。



この巨大なアトリエは、会場芸術を主唱して「青龍社」を創立した
画伯が大作制作の必要から1938(昭和13)年に建てたものです。

    

ガラス戸越しの撮影なので見難いですが・・
ここから名作が次々と生み出されました。また画伯が
多くの門弟の指導育成にあたった場所でもあります。

画伯は床板の節を嫌い、その部分を亀甲にくり抜いて
同じ材料できれいに埋めた場所が何箇所かありました。
芸術家のこだわり・・でしょうね。


1945(昭和20)年8月13日 B29の爆撃に遭いましたが、
このアトリエは奇跡的に難を免れたそうです。

自然をこよなく愛した画伯の芸術観と自然観を偲ばせる
素晴らしい建物・庭園を見学することができました。
このあと、道を隔てた向かいにある記念館へも行ってみましょう。

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2 コメント

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めぐり合わせ (kikyo)
2009-07-16 08:39:18
なんとも感想の述べようもないような建物・庭園で…。
最初に敷石を見たときに、夜猫子さんはこの何に注目したのかな?と思いましたが、すぐに説明を読んでナットクしました。

建物の随所に使われている竹の風合いのすばらしさも、実際に見るとよりいっそう感じられるでしょうね。
などなど…

道を尋ねたときから、ほんとにいい巡り会わせがあったようですね。
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竹の美 (夜猫子)
2009-07-17 11:33:21
これまで美しい木造古建築には感嘆してきましたが、今回 時を経た竹を
沢山見て、こんなにも美しいものであることに気付きました。
私にとって大きな発見、収穫でした。

自由勝手に見られる場所でないのはちょっと残念ですけれど、
保存のためには仕方ないのでしょうね。
できたら、また行ってみたいです!
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