今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

放射性物質のいわき・北茨城・東京ルート

2011年03月22日 | 東日本大震災関連
昨21日以来、いわき・北茨城そして東京の放射線量が高止まりになっている
(いわき:5時 2450nSv/hr  北茨城:2時 1590nSv/hr  東京:5時台平均 133nSv/hr)
浜通りのいわきは中通りの白河より、今までは放射線量が低かったが、昨日から逆転して高くなった。
つまり、原発周辺の空気が、浜通り沿いにのみ南下し、いわき・茨城の太平洋岸を水戸まで南下し、
茨城県南で、鹿島灘からの海風を受けて、南西に向きを変え、千葉には南下せずに、水戸街道ルートで東京に入り込んだ。
一方、白河から那須に至る奥州街道ルートはむしろ減少傾向を維持した。
つまり、放射性物質は白河の関は通らず、勿来(なこそ)の関を通って関東に入り込んだ。
これは東京への直行ルートといえる。

この傾向は、関東南岸に低気圧がある時の、すなわち福島以南が北寄の風となる時のパターンとなろう。
雨天の時は、一般的に大気中の濃度が高くなるものだが、茨城-東京の上昇率は今回のようにそれを上回ることになる。

ちなみに、拡散ルートで一番値が高いのは、原発から福島市方向に北西に向かう領域である(5:00の福島市で6990nSv/hr)。
福島市の方が、いわき市よりも原発から20kmほど遠距離なのだが、以前は10倍、今でも3倍高い。
雨がやんで春の陽気に戻ると、北風がおさまるので、また差(福島>いわき)が開いてくるはず。

このように、方角によって拡散(減少)の程度が大きく異なっている。
ただ、同一方向上では距離が遠いと薄まる効果がはたらくので、
たとえば北茨城はいわきのおよそ2/3の値,東京は北茨城のおよそ1/10(いわきの1/15)の値という傾向もおさえておくとよい。
いわきと原発地点との値のおよその比率がわかれば、(仮に今原子炉真上が500mSv=500 000 000nSvとするなら、およそ40km離れたいわき市ははその0.0005%の値に相等)
今後、原発から強い放射性物質が出た時、やがてくる東京の値も推定できる。

たとえば原発から、人が立ち入れない1000mSv(1Sv)/hrもの強い放射性物質が放出された場合の東京の値を、上の諸条件を使って試算してみてほしい(答えは簡単。ただし原発といわきの比率は仮定の話)。

逆に、たとえばあなたが避難を決意する場合の、原発での放射線量はいかほどかも、数値レベルで具体的に考えてみるといい(居住地によって異なるはず)。
その場合、最も高い値になるよう、原発が風上にある風向を前提とする(本当は風速なども考慮が必要。その理由は20日の記事「逃げるならどの方角がいいか」を参照)。
そのためには、その気象条件の時の実測値を元に、下のような※簡単な拡散モデルを作って計算する。
この試算は個人ではなく自治体レベルでやってほしいことだ(原発周囲の自治体にはあるはずだが、他県ではやっていないだろう)。
※簡単な拡散モデル:居住地付近の推定放射線量=(発生源の放射線量)×(距離による減衰係数)×(風向などの気象条件係数)


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