今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

右直事故に巻込まれないために

2019年05月08日 | 防災・安全

数年前、名古屋宅近くの交差点で、信号待ちをしていた女子中学生3人が、交差点で衝突した車に撥ねられて死亡した。
その痛ましい事故を知って以来、道路で信号待ちをしている時は、普通の走行速度で走る車のすぐそばに立っているという危険性を自覚して、ボーッとせず注意を怠らないようにしている。 

とりわけ、交差点では、右折車と直進車との衝突事故(右直事故)によって直進車が暴走してくる恐れがあるので、 車道から距離をあけて、 待つようにしている。

今回の痛ましい事故は、上のように注意している私でも防ぎようがなかったろう。
だが、それでも、どうしたら防げたか、被害を軽減できたかを考えねばならない。
それが我々のすべきことだから。

信号待ちをしている時は必ず、右側から走ってくる(=自分に向ってくる)車に視線をやること。

暴走して向ってくる車をまずは目視で察知することが、防ぐ第一歩だ。
そうすれば体をかわして車の直撃を避ける余裕ができる。

ただしそれで引率している大勢の園児たちを守れるかは難しい。

せめて、園児を引率する3人の大人のうち1人の立つ位置は、
園児たちの右側、すなわち暴走してくる車側にした方がよい。
そしてその位置に立つ大人だけは、視線を園児たちではなく、
右から来る車に向け続ける。
最悪、この位置に立つことによって大人自身が園児たちの楯にもなれる。
こうやって初動の対応を可能にすることを心がけるしかない。

上の発想は”歩哨の配置”という兵法の応用なのだが、
戦後日本はその発想が抑制されている
(精神の準拠点を”戦後”以前、戦前ではなく明治以前、いや江戸開府以前の戦国期の武士に置いて、兵法の発想で日常動作を再構成してみるといい。私が準拠しているのは室町期の武家礼法・”小笠原流礼法”だ)。

それから、信号待ちをしている歩行者を保護するためのガードレールやポール類の設置は、各地でぜひ充実してほしい(今回の事故現場にはそれらはまったくなかった)。

次に運転者側で言うと、衝突の衝撃によって進行方向がむりやり変更させられるため、
どうしてもハンドルで進行方向をコントロールしがちになる(こういう衝突経験があるので)。
ただ、その方向に人がいるなら、方向ではなく”進行”の方をコントロールすべき。
すなわちブレーキを踏んで、とにかく停止する。 
そうすれば少なくとも縁石を跳び越えて歩道にいる人たちに突っ込む可能性は減らせるだろう。

そもそもの右直事故の原因は、右折車側にある。
直進車が来るタイミング判断を誤って、無理に発進した結果だ。
この右折車による無理な発進を抑えることが、右直事故を減らす一番の策になる。

一番いいのは、今回の場所のように右折信号があるなら、直進車側が赤になり、右折車側が青になるまであせらず、待てばいい。
多少直進車の流れが切れたところで焦って発進する必要はない
(右折信号の持続時間は、交通量をデータに柔軟に対応してほしい。時間を固定するのではなく、センサーで対応できないだろうか)。 

ただ、そのような信号がない場所では、自分でタイミングを計る必要がある(直進車優先だから)。 
その際気をつけたいのは、先行する右折車に無思考的に追随せず、ちゃんと直進車の有無を目視で確認すること(今回の事故は、本来あってはならないこの未確認が原因のようだ。だから逮捕された)。
また目視をしても、直進してくる大型車の左後ろを走る二輪車は見えないため、大型車が過ぎた後は勢いよく発進しないこと。
さらに目視で確認しても、直進車のボディが小さいと、距離を見誤るおそれがある(昔運転していたRoverMINIは、ボディが小さいのでよく右折車に見誤られた)。

このような危険を伴い、しかも交通量が多いなら、いっそのこと、右折する場所を他の信号のある所に移した方がいい。 
その方が、右折のタイミングをイライラ待っているより心理的に安定し、少なくとも安全性は高まる。
右直事故は、自分が事故にあうだけでなく、歩行者をも巻込む(死に至らしめる)ことを心しておきたい。