今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

外股が踏み違いの原因?

2019年05月17日 | 作法

人間の基本姿勢として、膝と足先は素直に前方に向けるもの。

これは室町時代に大成した武家礼法の小笠原流礼法においてもそう教えていて、
身体の関節を不自然に捻ることを否定する(なので振返る時も腰を捻らない)。

ある市で小笠原流礼法の講習をした時、参加していた年配者が上の指示に戸惑いを示していた。
年配者たちは、若い時から足先を外側に開けと教えられてきたというのだ。

それは日本の伝統ではなく、明治以降の”武道”か軍隊式の教えなのかもしれない。
明治以前の”武術”の家元でもある小笠原流では、そのようには教えない。
また気功の本を読んでいたら、そこでも足先はまっすぐ前に向けろと書いてあった。
地上を走るほ乳類もみな足(蹄)を進行方向に向けているはず。
骨格構造からも、動作力学からも、それが当たり前だ。 

もしかしたら、年配者がアクセルとブレーキを踏み違えるのも、足を外側に向ける姿勢癖のせいかもしれない。

右足の踵をブレーキの上に置いても、足先が外に向いていると、爪先は容易にアクセルに触れてしまう。
緊急時に反射的に足に力が入ると、足先が伸びて、踵がブレーキの位置にあっても、
伸びた足先がアクセルを勢いよく踏んでしまうのではないか。

外股でない私には、この踏み間違いの動作原理が理解できなかったが、外股姿勢を前提とすれば上のように説明がつく。

踏み違いを防ぐには、左足ブレーキという方法もあるが、ブレーキペダルの位置が左足側にないため、辛いらしい。
ならば、外股の癖をなくせばいいのではないか。
外股の癖自体が不自然なのだから。 

ちなみに、身体を半身にした”構え”(武術・格闘技の基本姿勢)は、 足を前後にして相手との間合いの調整をしながら、
体幹を斜めにして防御と攻撃の双方を実現するため、股関節全体を開いて外股姿勢になる。
ただし”構え” を解いた、たとえば礼をするときの姿勢は、外股ではなく、足を前に向けるのだ。