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今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

お篭り

2009年11月10日 | お仕事
毎月温泉旅行に行っている私だが、今回、温泉に2泊した目的は、旅行でも湯治でもない。
宿に篭(こも)って今月27日締切の論文原稿を進めに行ったのだ。
観光地でない榊原温泉は、出歩きたい所もないので、
2泊程度の短期のお篭りには丁度いい
(宿代は観光地並なので、長期だときつい)。

今回の論文テーマは感情シリーズの第6弾「感動」。
私の感情論文は、自分の思惟が主なので、
データ分析のような機械的作業部分がなく、
すべて1から文章を作らねばならない(もちろん先行研究となる資料は参考にする)。
しかも毎回「ぶっつけ本番・行き当たりばったり方式」を採用し、
結論が出ていないうちに書き始めて(正しくはパソコン入力なので「打ち始め」)、
進めていくうちに、論理の展開によって結論がおのずから導出されるのを期待するのだ。

いいかえれば、結論ありきでそれを正当化するだけのような予定調和的論文ではない。
だから、論文執筆中は、懊悩・苦悶の連続。
しかも、感情という非論理的現象を論理で説明しようとする無理を承知での作業。

かようなつらい頭脳労働なので、日常の合間には、そう簡単に手がつけられない。
ある程度集中して作業を続けないと、頭がこの問題に対応して働かない
(このブログ記事もウォーミングアップとして書いている)。
雑事に追われる日常(私宅・大学)では、その集中時間をもちにくい。

なので、他の作業空間から分離された環境に身を置いて、
これ以外にすることがない(他は入浴と食事だけ)状況にあえて我が身を追い込むのだ。
これを”お篭り”と称している。

お篭り中は、湯舟の中で体を伸ばしている間も、思索を進めることができる。
執筆する場所も、室内だけでなく、気分転換を兼ねて、
ノートパソコンを持ってロビーのソファに移動したりする。
本当なら夕食時に日本酒やビールでいい気持ちになりたいのだが、それを我慢し、
儀礼的に1合・1杯だけにする。

滞在の結果、原稿の文字数は12000字に達した。
目標は15000字なので、8割まで達したことになる。
構成(論理の骨組み)はだいたい完成し,資料からの引用も済んだ。
ただ、まだ「感動とはコレだ!」という結論には達していない。
すなわち、論文の内容としては、まだメドが立っていない。
いましばらく時間が必要だが、お篭りの成果は得たといえる。