博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『少林寺秘棍房』

2006年06月18日 | 映画
『少林寺秘棍房』
(原題:五郎八卦棍、劉家良(ラウ・カーリョン)監督、劉家輝(リュー・チャーフィー)・傅声(アレクサンダー・フー・シェン)出演、1984年、香港)

時は北宋。楊業と七人の息子たちは皇帝の命により北方の遼との戦いに出陣するが、遼に通じた奸臣・潘美の罠にかかり、四郎と五郎(劉家輝)、六郎(傅声)以外はみな非業の戦死を遂げる。このうち楊六郎は無事に母親と妹たちのもとに生還するが、父親と兄弟の戦死の衝撃から気がふれてしまう。一方、楊五郎は潘美と遼軍の追っ手から逃れて五台山清涼寺に逃げ込み、出家して復讐の時を待とうとするが……

楊家将故事をもとにした映画作品を見てみたいという、かなり間違った動機で鑑賞(^^;) この作品は確かに楊家将故事をもとにして作られてはいるのですが、劉家良・劉家輝が監督・主演しているとあっては重厚な歴史大作になるはずもなく、ハードなアクション大作に仕上がっております。

しかも楊六郎役の傅声が撮影途中で事故死してしまうという不幸に見舞われ、シナリオの変更を迫られるなど、完成に漕ぎ着けるまでには色々と苦労があったようです。物語後半で恵英紅(ベティ・ウェイ)演ずる楊八妹が兄の五郎と会うために清涼寺へと向かい、途中で敵方に捕らえられますが、本来は楊八妹ではなく楊六郎がその役割を担うはずだったとのことです。楊六郎がどのようにして正気を取り戻し、そしてどのように楊五郎とタッグマッチを組んで敵方と戦うはずだったのか…… 実際に出来上がった作品の出来が良いだけに、本来はどういう風に仕上がる予定だったのかが余計に気になりますね。

また、冒頭では原典通りに楊四郎が遼の皇女に攫われるシーンがありますが、あるいは心ならずして遼の皇女の夫となった四郎を軸にした続編を作る構想もあったのでしょうか。ちなみに邦題に「少林寺」と付いてますが、内容の方は少林寺とまったく関係ありません(^^;) 
コメント (2)
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