博客 金烏工房

中国史に関する書籍・映画・テレビ番組の感想などをつれづれに語るブログです。

『神雕侠侶』その6(完)

2006年06月04日 | 武侠ドラマ
(前回:その5

小龍女が十六年後の再会を約して楊過の前から姿を消して以後、楊過は神雕とともにさすらいの旅を続け、いつしか人々から「神雕大侠」と呼ばれるようになった。そして約束の十六年が経とうとしていた。郭靖の次女・郭襄はひょんなことから神雕大侠・楊過と出会うことになるが…… 楊過は果たして小龍女と再会を果たすことができるのか?そしてモンゴルの金輪国師との決戦の行方は……?

VCD版第40~48話まで見ました。
このパートの見所は何と言っても最終話付近の襄陽大戦です。郭靖・楊過らが広々とした戦場でモンゴル軍と敵味方入り乱れて戦う様は、さすがに20年以上前に制作されたアンディ・ラウ主演版とは段違いであります(笑) 楊過が編み出した黯然銷魂掌も、アンディ・ラウ版では楊過がまず手で顔を覆い隠して悲しみの情をもよおした後、おもむろに掌を突き出して敵にぶつけるというショボい演出になってましたが、今回のドラマではきっちりCGで処理されております。

ただ、戦闘シーン以外の場面がその割を食ってすっ飛ばし気味だったのは残念であります。ラストシーンも間尺の関係か、かなりおざなりでした…… 楊過が小龍女と見つめ合うシーンとか、谷底を駆け回るシーンとかを削っていけばもう少し何とかなったのではないかという気が(^^;)

【総括】

ついでにドラマの全編の総括をやっておきます。

配役面では、青年楊過、小龍女、郭靖、黄蓉、郭芙、郭襄、金輪国師など、少年時代の楊過を除いてそれほど違和感のあるキャラクターは無かったですね。

強いて不満点をあげるとすれば、黄薬師、欧陽鋒、柯鎮悪ら前作『射英雄伝』に登場した面子の配役の多くが変更されており、前作と同じ配役だったのが周伯通、魯有脚、曲霊風の娘、瑛姑らにとどまっているのが残念でした。壮年の郭靖、黄蓉を李亜鵬、周迅に演じてもらうのは無理があるとしても、その他の配役は何としても『射英雄伝』と揃えてもらいたかったところです。

小龍女役の劉亦菲は『天龍八部』に続いて神仙姐姐ぶりを発揮してましたが、黄暁明演ずる楊過と並ぶと、彼より年上に見えないのはちと苦しいところです。配役には不満がないので、できれば5年後か10年後ぐらいにもう一度小龍女役を演じてもらいたいところです。

脚本・演出面では、楊過や郭芙らの幼少時代のエピソードがバッサリ削られてしまったのは痛いです。その反面、楊過と小龍女がお花畑で戯れているシーンとか妙な場面がチョコチョコと目につき、こういうシーンを逐一削っていけば、もう1話分か2話分ぐらいの間尺は確保できたのではないかという気も……

あとは、今までの映画・ドラマ版では着ぐるみで処理されていた神雕がCGになっていたのはポイントが高いです。もっとも、パッと見でCGと分かる程度のクオリティなので、やはり5年後か10年後ぐらいに神雕をよりハイクオリティで再現したドラマ版の制作を期待したいところです。
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朝日土曜版『金瓶梅』特集

2006年06月04日 | ニュース
6月3日発行の『朝日新聞』土曜版『be on Saturday』で、『金瓶梅』が特集されていました。

http://www.be.asahi.com/20060603/W21/20060519TBEH0014A.html
http://www.be.asahi.com/20060603/W21/20060519TBEH0017A.html

『愛の旅人』という特集シリーズで『金瓶梅』を題材にするあたり、なかなかアレですが、(通常は普通の恋愛物を取り上げてます。ちなみは先週は『君の名は』を特集してました。)中国での『金瓶梅』出版事情や、武大と潘金蓮の子孫と称する人々がくらしているという村の様子などが取り上げられており、内容の方はまあまあ面白いです。
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