Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

江戸城天守閣再建論について

2013-09-22 | Weblog
「城好き」としては見逃すわけにはいかないネタである。
昔は私も緑青で葺かれた高層天守を夢想していたのだが、ここ数年、皇居は黒い森の佇まいのほうが、より深遠で日本的なのではないかと思うに至った。警護面からも、あの位置に観光客が登れる高層の建造物はありえないだろうし、外観だけ再建した(それも半分想像で)コンクリート造りの建造物はかえって興を削ぐというもの。かといって、木造による再建は防災上許されないだろう。さらには安土城や熊本城や豊臣大阪城などの戦国時代の要塞的な「黒天守」に比べると、徳川時代の「白天守」は建造物として見栄えがしない。「へうげもの」最新刊で織田左門が吐く「でけぇだけの、生っちょろい、安物天守さぁ」という感想が的を射ている。天守が存在したのはたったの30年ほどであり、火災で消失したのち徳川幕府時代においても200年間再建されなかった。皇居となった明治以降も天守があったわけでもない。21世紀になって今さら再建もないだろう。
というわけで、前言を撤回させていただき、江戸城天守再建には反対します。

江戸城天守再現図:決してカッコ悪いわけではないのだが・・・あまりにも特徴がなくで今の私には萌えない。一番つまらなくしているのは、四面とも同じデザインということだ。せめて連立小天守か高層櫓で変化があればいいのだが。

豊臣大阪城の再現模型:異形の成りとガングロさが心を捉えて離しません。