Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

Opera

2008-12-02 | Weblog
 週末は本番だったのだけど、結果からいうと超がつくほどの大成功でした。開場と同時にお客さんがなだれ込んできて、騒ぎながら席取り合戦をする光景なんて初めて見ましたよ。(出演していた子供バレエのお母様方のようであったが。)でも、ちょっと見苦しいから、指定席制のほうがいいかもね。
 実は完全な通しリハなしで本番を迎えたので、本番中はあちらこちらどうなることか心配で、えらく緊張したのだけど(前日に、譜面灯のもとで弾くことがわかったぐらいだし)、経験豊か(すぎる)指揮者のもと、多くのプロの裏方に支えられて、本番は驚くほどスムーズに通りました。歌劇ならではの歌の切れ目での拍手やブラボーの連発で、弾いている方も観ている方もどんどん昂揚して、最後は大団円で終わり本当に良い演奏会でした。こんな良い曲がこの世にあってもいいのだろうか?と思うくらいの名曲の連発で、改めてモーツァルトの才能に敬服です。こんな曲を1ヶ月くらいでサラサラ書いたなんて!合奏に関しては、綺麗な弱音で軽やかに弾くという徹底っぷりが功を奏して、その点を褒めるコメントが多数届いていた。しかし、自分は練習時より、かなり大きめに弾いたのだけど。というのは、ホール全体を使う演出のため、歌手がえらく遠く(客席)から登場したりするので、ちょっとバスが手を抜く(狼狽える)と音楽が見失われて、リハでは何度か崩壊しかけた箇所があった。バスが音楽の土台だと格言を、身をもって知った瞬間でもありました。そのため本番は、リズムと頭だけはがっちりと出し続けようと努めたのですが、鳴りの遅い楽器の特性上、怯んだらすでにその段階で遅れているわけで、誰よりも先に良い音で飛び込む(飛び出すわけでは決してない)という勇気が必要とされるわけです。気持ちが乗ってくると、この「先陣を切る」ことが堪らなく快感なのだけど、慣れないことに加えて長丁場なためえらく消耗しました。でも大事なところは上手くいったと思います(思いたい)。
 自分にとっては初の全曲オペラだったのだけど、よく云われているように、オペラは交響曲の演奏とは全く違うことを体感しました。オペラ演奏を主の業務としているウィーンフィルが、独特の音色と機動力を兼ね備えている理由が少しだけわかりました。予算の関係上、不可能なのだろうけど、1年に一度はオペラ、もしくはミュージカルの公演があってもいいなあ。このオペラをやりたかった年配の主力団員の方々の打ち上げでの本当に嬉しそうな顔が印象に残りました。