Wilhelm-Wilhelm Mk2

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ジョジョ7部 スティール・ボール・ラン

2006-05-12 | Weblog
 5部の後半くらいからマンネリ化になっていたジョジョでしたが、新しいシリーズになって俄然面白くなりました。やはり月刊誌に移って荒木先生も丁寧に描ける様になったのでしょうか。絵も劇画タッチになってきていい感じです。今回の主人公のジャイロ・ツェペリはシリーズ中で一番好きなキェラですね。これまでの主人公は少年漫画の主人公らしい「ヒーロー」ばかりでしたが、ジャイロは精神的に弱い(若い?)ところがあり、物語はその成長にも焦点があてられていて、またそのジャイロに語り部の副主人公として「ジョジョ」がつくという凝った設定も素晴らしいです。今回も基本的にはスタンド戦闘の設定ですが、主人公の技が「鉄球投げ」という物理的な手段なので、これまでとはひと味違う感じがあります。できればスタンドとは縁を切って欲しかったのですが・・・・。ジョジョシリーズで一番好きなのは第2部、スタンド編なら第4部です。


 アメリカ横断の競争といえば「キャノンボール」が思い出されますが、本作品は恐らくそれを叩き台にしているのでしょう。あと私が思い出したのは「素晴らしきヒコーキ野郎」という映画。これはロンドンーパリ間をプロペラ機で飛ぶレースを描いたドタバタコメディの映画なのですが、英米独仏伊日という色々な国の代表が参加して、各国民のお国柄と国民性が面白可笑しく描かれています。日本からは石原裕次郎が「ヤマモト」という名で出場してます。残念ながら悪徳イギリス伯爵の破壊工作でスタートと同時に墜落してしまいます。しかし、飛行機の性能は大会一番という前評判で、ヤマモトも礼儀正しいパイロットとして描かれてます。日本人としては悪い気はしません。ちなみにドイツ代表はかなり滑稽に描かれていて、まずパイロットは悪徳伯爵の下剤攻撃(!)で脱落、急遽その上官のデブッちょ(ホルスタイン少佐)が騎乗するのですが、この上官、

「ドイツ軍人に不可能はない!」(どこかで聴いた言葉だ!)

が口癖で、マニュアルを読みながら運転します(「その1、着席!」とか)。時代設定が1910年で、まだ世界大戦が起こってないということもあるけど、地上ではいがみあっていても空の上では助け合ったりと、なかなかほのぼのとした世界観で私は昔から好きな映画の一つです。