Wilhelm-Wilhelm Mk2

B級SFからクラシック音楽まで何でもあり

ヒッチコック「引き裂かれたカーテン」

2005-07-03 | Weblog
実はヒッチコック大好きです。レンタルで大抵の作品は観たと思いますが、最近DVDが安価(1000円!)で手に入るのでじわじわと集めてます。今日購入したのは「引き裂かれたカーテン(Torn Curtain)」。アメリカの物理学者(ポールニューマン)とその婚約者(ジュリーアンドリュース)が東ドイツの天才教授からある物理反応式の情報を引き出す為に偽装亡命し、脱出してくるまでの話。まず何と行ってもこの「数式を盗む」というテーマが独創的。学者の持つ独特の探究心と自尊心を煽って、老教授から数式を聞き出す際の問答は圧巻。また主人公の意図に気付いた監視役を農場で殺すシーンや、彼を逃がす東ドイツ内のレジスタンス組織の奇想天外な脱出手引き(実話らしい)がもう手に汗にぎる演出の連続で、2時間以上の大作ですが、見始めたらあっという間に時が過ぎて行く感じです。ストーリーだけでなく共産主義体制での人々の暮らし(脱走兵が追いはぎやったりしてる)やナチス顔負けの公安警察の描写も興味深い。またポーランド出身の没落伯爵夫人が、アメリカに亡命したいので主人公達に保証人になってくれと頼む際の切羽詰まった表情。この作品のなかて一番強烈な演技だと思います。
この作品は意外と知名度が低いのですが、ヒッチコックの作品のなかでもベスト5に入ると思います。

フランクのピアノ協奏曲集

2005-07-03 | Weblog
「宇宙戦争」が案の定大コケのようですな。観てないのに腐すのもどうかと思いますが、あちこちの批評を読むと予想通りのようです。つまり「CGを用いた破壊シーンは迫力あり」だが、「宇宙人のデザインはID4のものに近い触手系」「トムクルーズが駄目」「ストーリーが散漫で唐突」。スピルバーグもそろそろ駄目かもね。(お願いだからインディジョーンズの新作なんて撮らないで下さい。)

 さて今度フランクの交響曲を演奏することになったのですが、フランクの作品は交響曲とVnソナタしか知らないので、ちょっと勉強しようとナクソスから出ているフランクのピアノ協奏曲集を中古で買ってみました(300円)。過去にラジオで2番協奏曲を聴いた際に、随分とヴィルトオーゾ的で格好良かった印象があったのですが、解説を読むとなんとこの曲はフランクが13歳のときの作品。改めて聴いてみましたが、確かに構成は単純ですが全体の印象はショパンの1番協奏曲に近く、メロデイーはロマンチックでかなり美しい。うーんこれってもっと演奏されてもいいんじゃないかな。ただの習作って感じはしないぞ。モーツァルトとショパンを足して2で割ったような感じかな。特に3楽章の高揚感は素晴らしい。
 上記の2番協奏曲以外に交響的変奏曲と交響詩「魔神」も入ってました。前者は壮年期の作品でフランクらしい「渋さ」が表れており「交響曲」の雰囲気に近いのかも。一方後者は20代の作品で、題名「魔神」の名の通り(魔物が町を徘徊するという詩がテーマらしい、)デモーニッシュな雰囲気で序奏は始まるものの、ヴィルトオーゾなピアノが力強い主題を歌う躍動感溢れる曲。これももっと演奏されて然るべき曲だと思います。うーんしかしフランクって何とも興味深い作曲家だ。もっと他の作品も聴いてみよう。