無意識日記
宇多田光 word:i_
 



ディテールの話は後回し、と思ってたけど今日もまた新情報満載で煽られたので前言撤回。歌詞の文の細かい話をするよ。


4月25日発売のSFマガジンにヒカル登場とな!

となると、『Electricity』の歌詞が話題になってるだろうかな。なんつったって、

『あなたはどの銀河系出身ですか?』

だもんね。まるっきりSFだよね。ここで、2番Bメロ終わりに至る迄に1番Aメロで『違う惑星みたい』とか2番Bメロ頭で『美しい鉱物』とかのワードを前もって鏤めておくことでこの突拍子も無い一節の唐突感を薄めているのが、巧みだわよね。ビックリはするけど流れとして不自然じゃない絶妙なバランス。お笑いや作劇の教科書にも書けそうなお手本のような伏線の張り巡らし方だわさ。

さてそんな『Electricity』で更にSFっぽいのが、Dメロと言われそうな

『私たちの細部に刻まれた物語
 この星から文字が
 消えても終わんない』

のパートだよね。最後の『終わんない』がまた『何にも信じらんない』を彷彿とさせるのでやっぱり『何色でもない花』と『Electricity』は姉妹曲だよね名高い学者はアインシュタインだよねとなるのだけど今回はそれはさておき、この『Electricity』の、英語のリフレインを除いた日本語歌詞としては最後のパートでは一体何を言っているのだろうか?

『この星から文字が消えても』というのは何となく意味はわかるけどという感じなので思い切ってこの『文字』を「文明」と読み換えてみよう。

「この星から文明が消えても終わんない」

…のが「私たちの細部に刻まれた物語」、なのだ。

ふむ、ここで、1週間後にSFマガジンが発売になるということで更に大胆に発想を飛躍させてみるか。SF的発想をとるなら、この『細部に刻まれた物語』というのは「遺伝子」と解釈できそうなのだ。つまり、『文字』を「文明」と読み換えたように、『細部』も「細胞」と読み換えてみる。すると

「私たちの細胞に刻まれた物語
 この星から文明が
 消えても終わんない」

てな風になる。『物語』というのは具体的な遺伝子の構造のこととかになるだろうか。数多の試練を乗り越えて、一代も途切れることなく受け渡され洗練され続けてきた遺伝子の辿った軌跡を物語と言わずして何とする、というか。ちょっと強引だけど、まとめると、このDメロパートの含意は

「たとえひとつの文明が滅んでも、生命の営みの連鎖は途切れない。」

てな感じになるかな。恐らくSFマガジン的には、こんな風な解釈を返すのが順当なんじゃないか。仮にこの解釈を振られたとして、ヒカルが更にどう返すか、に注目したい。

ヒカルはヒカルで、「遺伝子(gene)」という単語を歌詞に登場させた事がある。『This Is Love』の『鳴り止まない遺伝子』と『Let Me Give You My Love』の『start mixing gene pools』だね。どっちもエロい意味だったが、今回は歌の主人公が宇宙人なだけに生殖観が地球人と同じなのか、そもそも生殖観なんてあるのか、そこらへんをヒカルがどう設定してたかによるよな。あたしとしては、「地球人を滅ぼす気になったこの歌の主人公が実はその地球人の1人と交配してしまい…」みたいなストーリーを想像してるのだけど、はてさて、どんなインタビューになっているのやら? 1週間後の発売を待ちましょうかね。



追伸:歌の最後のリフレイン『I just wanna celebrate with you』は自動詞なので、訳は「あなたと祝いたいだけ」ってより、「あたしゃあんたとバカ騒ぎしたいだけなのよ?」みたいな風になる。これ結構この歌を理解する上で大事なフレーズかもね。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




えぇっと、今日からの4日間のうち3日テレビ出演!? ここに至ればなるほど、『デビュー以来こんなにテレビに出たことあったか私😂』と呟いたのも納得よね。CM2つと絡むとなるとやはり過去最高の月間出演時間になるのかもしれない。

こちらとしては、勿論トークも楽しみだが、テレビ向けとして新しくパフォーマンスが得られるのが得難い。今夜は『Electricity』『光(Re-Recording)』『traveling (Re-Recording)』の3曲。何れもテレビ初披露、パフォーマンス初お目見えとなる。

それどころか、『光』も『traveling』も、2001〜2002年当時地上波テレビ出演はなかったのだ。特に『光』は「HEY!HEY!HEY!」などで“皿洗えてないPV”が話題になっていたから錯覚しかけるが、あれはその後、『SAKURAドロップス』で出演した回のトークだった。そこで『光』の別テイクが生まれたわけではないのだ。『traveling』に関しては、FOMAのTVCMが沢山打たれていたからテレビから歌が流れる機会は多かったがこれもテレビでのパフォーマンスはなかった。米国同時多発テロの影響もあったのかもしれないが、初めてコ・プロデューサーとしてアルバム制作の真っ只中だった為スタジオを離れられなかったというのが真相か。『SAKURAドロップス』と『Letters』は、アルバム制作終了後でのテレビ出演収録だった。

そんな二十数年前を思い起しても、今回の歌は本当に貴重だ。テレビしか観ない人にとっても、欠かさずヒカルのテレビ出演を観てる人にとっても新鮮な体験となるだろう。

そして、『Electricity』初披露よな。NHKだから歌詞の字幕は出るのだろうか。あの特徴的なフレーズの数々はかなりのインパクトをお茶の間に与えるだろう。2002年の年間トップ10ヒット曲2曲と並べて歌っても全く遜色ないどころか、今の宇多田ヒカルの充実ぶりを広く知らしめる絶好の機会となるわよね。正直、これ以上コンサートチケットの競争率が上がるのはやめてほしいんだけど(笑)、今夜のパフォーマンスをみてCDを買ってでも生で観たいという視聴者が一定度出てくるんじゃないかな。

そして、NHKだから一切おくびにも出さないだろうが、これは「伊藤忠と綾鷹どっちが目立つか」という好奇的な目線でもみることもできるだろうね。広告代理店の皆さん血まなこ(笑)。

しかし、ここで『Automatic (2024 Mix)』や『First Love (2022 Mix)』ではない『光(Re-Recording)』という選曲をしてくるって、日テレの『with MUSIC』に引き続き、NHKにも宇多田ガチ勢が紛れ込んでいるのは最早疑いがないところでしょうね。仕事の流儀やSONGSでわかってたことだけどもな! はい、今夜は本当に楽しみですね!

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )