無意識日記
宇多田光 word:i_
 



なんかもう、すごい見出しだねぇ。

「宇多田ヒカル『何色でもない花』首位! ラジオ、YouTube、サブスク、すべてが絶好調【最新チャート】」
https://news.j-wave.co.jp/2024/03/content-2820.html

昨日の「J-Wave Tokio Hot 100」で先週の第2位からワンランクアップで第1位を獲得したのだ。アリアナ・グランデの6連覇を阻止する形で(しかも今週はマライアとのデュエットバージョンのターンだったの?)。口さがない人たちはタイミングがよかっただけやんとか言うかもしれないが、ともあれ結果として物凄くカッコ良い1位獲得となった。これでこの番組では15曲目の1位だそうな。平井堅は17曲だと! キャリアが違うからさ…ああ、ブレイクしたのはヒカルの方が早いくらいか…それはさておき。

前回も書いたように関東ローカルのチャートとはいえ中々に印象的な結果だ。ほんに、『何色でもない花』がこんなにチャートで話題になるような曲だとは全く思ってもみなかったね。あたしがレコード会社担当だったら降格させられてたとこだよこれ。完全にプロモーション計画誤ってたろうからね。ドラマの視聴率も高くないし、華々しい今のチャートでは地味な雰囲気だし(歌は異常に上手いけどね)、目立つことはないと思い込んでいただけに己の不見識を恥じると共に、大変嬉しい。あたしこの曲大好きだからね。多くの人に愛されてるのは、いいことだ。少ない人に愛されていても価値は変わらないのだけど、ヒット曲歌手の歌う歌というのは、売れない時は曲の出来如何に関わらず悪く言われてしまうものなので。そんなのには何の妥当性もないから毎回売れない曲を出す度に私は曲の素晴らしさそのものをアピールしてきたのだけど、悪く言われないなら言われないで、ひとつ心の重石が取れたようで、大変有り難いのでした。


ということで、甚だ分不相応ではあるが、この曲のヒットの秘密を探ってみよう。私は厚顔無恥なのだ。

何より、歌メロの王道さなのだと思う。ピアノと併せて聴くと、ルート音から始まってルート音で終わる、非常に素直な音の運びになっている事がわかる。これは少し『Stay Gold』と似ていて、ヒカルが当時「10代に気に入られてて嬉しい」とかそんなことを言ってたのと同じように───ってこのくだり毎回書いてるせいでこの話題で検索したらこの日記がヒットするようになってしまってる…っ(絶句)。これではいかん(何の役にも立たない)ということでソースになりそうな記事を探してきた。

「宇多田の新曲、「とても良いと思った」65.2%」
2008-02-09 06:00 ORICON NEWS
https://www.oricon.co.jp/news/51837/full/

この16年前の記事によると、

「現在、CMでもオンエアされている宇多田ヒカルのニューシングル「Stay Gold」が2月20日にリリースされる。発売2週間前時点で、本楽曲を“聴いた”と答えた人は全体で39.3%。特に関心度の強さが見られたのは30代女性で、60.0%という高い数値をマークした。また、評価に関しては10代女性の65.2%が「とても良いと思った」と回答した。」

これですね。グラフをみるとわかる通り『Stay Gold』は「10代女性」からの評価が圧倒的に高かったのですよ。

http://contents.oricon.co.jp/upimg/news/20080207/51837_200802070001535001202384533b.gif


なので、同じタイプのメロディとピアノを持つ
『何色でもない花』もまた、10代女子の人気が高かったりするのではないかな?

あたしマーケティング疎いからよくわからないけど、サブスクが普及して以降、チャートにおいては10代のリスナーの動向がCD時代よりも比重が大きくなってやしません? 単純に、購入数より視聴回数や再生回数がより重視されていることで、社会人より「音楽を聴く」行動が多い学生や生徒の動きにより大きく左右される、という。社会人は「音楽を聴く回数」は少ないかもしれないけど、お金は沢山出すからね。CD購入/レンタル時代の頃は20代〜30代がメインターゲットだったのが、今は10代〜20代に推移してない? どうなんでしょね。

今回『何色でもない花』は、前曲『Gold〜 また逢う日まで〜』と同様フィジカルを一切リリースしていない。勿論来月には『SCIENCE FICTION 』のCDに収録されるんだけどね(…もう来月か!(毎日々々己がカウントダウンしとるのに白々しい…(笑)))。なので、チャートに反映されるのはダウンロード購入数を除き総てが何らかの再生回数だ。今回は10代に受けたお陰で彼女たち音楽に潤沢な時間を消費する世代が中心となって『何色でもない花』をチャートのてっぺんに押し上げてるのではないか…そんなことを考えたのでありましたとさ。まぁ、最初に売れないって言い切ったヤツが今更どのツラ下げてヒット分析してやがんだと自分でも思いますけども。ひとまず、めでたいじゃないですか。おめでとうっ!(…我ながらドサクサ感がすごい(笑))


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先週月曜放送の「君が心をくれたから」第8話、千秋が太陽の母親だったと知ってビックリ。全然予想してなかったので面食らった。後から知ったけど、結構予想してた人多いみたいねぇ。あたしゃ全然気づかなかったよ。でも、ドラマ観て楽しむという点ではあたしの方がいいよね?(…負け惜しみ(笑))

でも、そうかぁ、千秋って名字だったのねぇ。百合漫画や百合小説などを普段から嗜む身としてはファーストネームと見せかけてファミリーネームとか或いはその逆とか、そういうのは性別のミスリードの常套手段で年に4回くらいは遭遇するネタな気がするけど、テレビで月9ドラマを観てる時はそういうの読む時とは頭が切り替わってるからか全然発想がそっちに行ってなかったな〜。そうか、旧姓が「千秋明日香」だったのねぇ。そう思って千秋の言動を思い出してみると…うーん、どうだっけ?(もう忘れてる)

ふむ、しかし、そうなってくると「宇多田ヒカル主題歌のドラマ」という点ではますます力が入るね。亡くなった母親が我が子を思って寄り添ってくるだなんて『道』で

『消えない星が私の胸に輝き出す』

と歌った人にとってはぐっとくる展開だよねきっと。花火のひとつひとつの火薬の粒を「星」って呼ぶしねぇ(それは完全に余談)。

そう思って『道』の歌詞を思い出してみると(といいつつサブスクの歌詞表示をしっかりチェックしてるんだけどね)、

『私の心の中にあなたがいる』
『目に見えるものだけを信じてはいけないよ』
『この身はあなたと共にある』

という風に、『何色でも無い花』の歌詞、そして「君が心をくれたから」のストーリーにによくそぐう一節が幾つかあるのよねぇ。そのつもりでみると冒頭の『朝の気配がする』なんかも日の出の太陽を連想させ…いや朝陽ちゃんていうもっと直接的な登場人物がいるか…ともかく、花火って夜空に星の輝き、太陽の眩しさを表現するアートだもんね、なんというか、モチーフ周りが実にヒカルの歌詞世界観に合っているところが、このドラマのいいとこよねぇ。

https://thetv.jp/news/detail/1184975/
昨日ドラマプロデューサーのインタビューを読んだわけだけど、この様子だとどうやら初めの時点で全体のストーリープロット/構成は決まっていたらしく(五感を失う順番とかね)、となると、ヒカルも同じく歌詞を書く前の段階でそのプロットを見せてもらっていた可能性が高いわね。もっとも、だからといってそれを熟読したかというと、あまりネタバレさせすぎないのもどうやら歌詞を書く場合には有効な手段の一つのようなので確信は持てないのだけど、どちらかというと『何色でもない花』の感触からいえば、最後までの流れを踏まえている気はするね。特に、

『ああそんなに遠く無い未来
 僕らもうはここにいないけど』

の歌詞は、インタビュー記事の最後で「最後にどんなハッピーエンドが待っているのかも楽しみにしていただければと思います。」とハッピーエンドを断言してるだけに余計に気になるのよね。ヒカルはそれを知った上でこう書いたようでね。はてさて今夜の第9話は、どこまで話が動くのでしょうか? 『何色でもない花』の歌詞は、どこまでその意味を露わにするのかな?

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