トシの読書日記

読書備忘録

異国に佇む人々

2016-06-07 16:07:41 | さ行の作家


ポール・セロー著 村上春樹訳「ワールズ・エンド(世界の果て)」読了



ずっと前に姉から借りたままでほっぽらかしになっていたものをやっと読んでみました。


全部で9編の短編が収められている作品集です。どの作品も主人公(アメリカ人だったりイギリス人だったり)が、様々な事情でドイツとかコルシカとかプエルト・リコへ行くことになり、そこでの異文化に対する戸惑い、相対する人々とのあつれき等で苦しむ姿を描いたものです。


なかなか面白かったです。物語のエンディングが、主人公が茫然と立ちすくすといったシーンが多く、そこが一種レイモンド・カーヴァーの世界を彷彿とさせます。


ちなみに著者はあの名作「極北」を書いたマーセル・セローの御尊父であります。

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