トシの読書日記

読書備忘録

黒塚の鬼女

2014-11-28 17:37:12 | か行の作家


倉橋由美子「よもつひらさか往還」読了



主人公の慧(けい)君の祖父が経営するクラブのバーがありまして、そこの九鬼さんが作る怪しげなカクテル。慧君はいつも昼過ぎの中途半端な時間にそのバーを訪れ、九鬼さんのカクテルを飲むわけです。すると不思議な世界が見えてくるんですね。時空を超えた妖しい空間。黄泉の国なのでしょうか。


まぁそんな話がいくつか並んだ連作集なんですが、はっきり言ってあまり面白くありませんでした。自分は倉橋由美子のもっと内面にぐいぐい迫ってくるような作品を読みたいと思っているんですが、これはあまりにも軽いです。上手いんですがね。残念でした。


とりあえず、これにてプチ倉橋由美子祭り、終了ということにしておきます。ちょっと、というか、かなり消化不良でした。もし機会があれば、「パルタイ」とか「スミヤキストQの冒険」とか「ヴァージニア」とかを読んでみたいと思っております。まぁ自分がその気にならなければそんな機会も訪れることはないんですが。




姉に以下の本を借りる


川上弘美「水声(すいせい)」
J・Dサリンジャー著 村上春樹訳「フラニーとズーイ」
多和田葉子「かかとをなくして」
小川洋子「人質の朗読会」
中島京子「女中譚」
柴田元幸「死んでいるかしら」

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