トシの読書日記

読書備忘録

反小説

2014-11-21 17:39:45 | か行の作家


倉橋由美子「反悲劇」読了



プチ倉橋由美子祭り、開催中であります。


本作品は五つの中編からなる作品集で、内容は異なれど、舞台はそれぞれ似通ったところで、連作集ということでしょう。


しかし、これは読んでいて少し辛かったですね。まず、古代ギリシアのいわゆるギリシア悲劇というものをある程度知っていないとこの作品の面白さは伝わらないということ。それと、文体がかなり硬い感じで、なんだかめちゃくちゃ頭のいい人に、ああだこうだと理屈をこねて話されているような感覚で、かなり疲れました。読みながら「理詰めでこられてもなぁ」と思わずつぶやいてしまいました。


でも、まったくつまらないかというと、そうでもなくて、ストーリーの展開に「おっ」と思うところもあって、なんとか読み通すことができました。これからいくつか倉橋由美子を読むことを思うと、少し気が重いんですが、頑張ります。


以下に作品リストをあげておきます。しかし、こうしてみると意外に多作の作家なんですね。まぁ未読本の中から読むだけで、買ってまで読むことはないと思うんですがね。




1960 「パルタイ」
1961 「人間のない神」
1965 「聖少女」
1966 「妖女のように」
1968 「蠍たち」
1969 「スミヤキストQの冒険」「暗い旅」
1970 「ヴァージニア」
1971 「反悲劇」「夢の浮橋」
1977 「迷宮」
1980 「城の中の城」
1984 「大人のための残酷童話」
1985 「シュンポシオン」
1986 「アマノン国往還記」
1987 「ポポイ」
1988 「交歓」
1996 「夢幻の宴」
2002 「よもつひらさか往還」

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