トシの読書日記

読書備忘録

ささやかな日常の中の明日への希望

2009-06-19 16:15:01 | あ行の作家
上原隆「にじんだ星をかぞえて」読了


先日読んだ「胸の中にて鳴る音あり」と同じシリーズです。朝日新聞の夕刊に連載してたものをまとめたとのこと。


7年に及ぶアルツハイマーの母の介護を終えた娘、定年退職を迎えた中卒サラリーマン、神経性の摂食障害になったあげく、飛び降り自殺した小学生の母親、「ビッグイシュー」を売って生計を立てるホームレス…いろんな人が登場します。弱い人もいれば強い人もいる。

「胸の中--」と同様、読んでいて、温かい気持ちがこみあげてきます。泣ける話が多いんで、とても、お昼休みにいつものそば屋では読めません(笑)


「記憶だけで生きてる」という話の中で、もりまりこという短歌を作る人なんですが、なかなかいい歌なんで、ちょっと書きとめておきます。



 溜め息とぎりぎり似てるその「ッ」が聞きたくてTの肩をゆるく噛む


 ふいに涙はやってくるゆきずりのウォークマンからもれるメロディに



なかなかいい感じです。


ちなみにこの本のタイトルは、あの坂本九の「上をむいて歩こう」の歌詞からとったそうです。

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