トシの読書日記

読書備忘録

正チャンの絵日記

2020-08-22 21:12:38 | あ行の作家


池波正太郎「夜明けのブランデー」読了



本書は2010年に文春文庫より発刊されたものです。タイトル通り池波正太郎のイラスト付きの日記の体をなしたエッセイ集です。文章ももちろんいいんですが、絵もなかなかのもんです。そしておしゃれでダンディで、また人の義理人情を大事にする池波正太郎の心意気がそこかしこに表れた、素晴らしい1冊でした。


池波氏の文章で、よく出てくる「ところで…」とか「それはさておき…」という池波ファンならお馴染みの文体がいいですね。解説の池内紀氏はこれを<微妙なレトリックの効用をおびている。切りつめられた枠組の中に、もう一つ小さな枠組みがはめこまれ、物語がゆるりと動き出す。>と評しています。

なかなか絶妙な解説ですね。自分もこのブログで池波氏に触発されてこの言い回しはちょいちょい使わせてもらってます。もちろんその効果はこの大先生に及ぶべくもありませんが。


先日の19日に治験の点滴の1回目をやってきました。新しい治療法なので、1週間後の26日に尿検査と採血をして異常がないかチェックをするとのこと。そして次の治療は9月9日です。


食道のガンはかなり小さくなったんですが、放射線の影響で食道がかなりの炎症を起こしており、食道がかなり細くなっているとのこと。先日の胃カメラの検査でも5㎜のカメラが入らなかったと言ってました。なので、口から食事をするのはまだまだ難しい感じですね。調子が良さそうなときはお粥を作ってもらって食べるんですが、食べられたり食べられなかったりで、まぁ一進一退です。早く普通に食事ができる日を願うばかりです。


ネットで以下の本を購入

坪内祐三「一九七二――『はじまりのおわり』と『おわりのはじまり』」文春文庫

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