トシの読書日記

読書備忘録

メタファーの森

2007-01-24 16:59:10 | さ行の作家
清水良典「村上春樹はくせになる」読了

いわゆる村上春樹の研究本なのだが、いつも見るブログのTさんが勧めていたので買ってみた次第。

村上春樹は一番といっていいほど好きな作家なのだが、「アンダーグラウンド」「約束された場所で」は読んでない。というか、読みたくないんです。

村上春樹は、僕にとっては上記のようなルポルタージュなんか書いてほしくないという思いがあって、遠ざけていました。

でも、この「・・・くせになる」で、春樹が何故そういった一連のルポを書くに至ったのか、その謎が解き明かされているとTさんが書いていたので読んでみたんです。

読み始めたら、いきなりその話から始まっていて、本書がそこに力点をおいていることがうかがえた。

理由はわかりました。わかりましたが釈然としないんです。
なぜ、村上春樹は地下鉄オウムサリン事件とか阪神淡路大震災といった俗世間の事件、天変地異に自分の死生観、小説のテーマを重ね合わせるのか。
そんなものとは、隔離された世界で「ハルキワールド」を展開してほしいと願うのは僕の我儘なんでしょうかねぇ。

まぁ、本人が言ってることではなく、清水氏のあくまで推測なのでなんとも言えませんが・・・

でも、ほかの小説、たとえば「ノルウェイの森」「ダンス・ダンス・ダンス」「アフターダーク」等に関しては、その読み解きかたは、なかなか興味をそそるものがありました。

Tさんは、「アンダーグラウンド」「約束された場所で」を書いた理由がよくわかったと言い、わかったので読まないと言ってました。

僕も釈然とはしないけどわかったんですが、やっぱり読みません(笑)

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