車谷長吉「金輪際」読了
「鹽壺の匙」の前にこれを読んでみました。
7編が収められている短篇集。どれもこれもなかなかいいんですが、とりわけ「ある平凡」「児玉まで」がよかった。同作家の小説は、エッセイかと思うような、もうほとんど事実をありのままに書いたものが多いんですが、先にあげた2編は、かなりフィクションに近いような、いわゆる「普通の小説」になってます。まぁ半分くらいは実体験なんでしょうが。これくらいの匙加減がいいですね。
「変」という短篇に至っては、自分の小説が芥川賞を落選したことを根に持ち、紙を切り抜いて銓衡委員9人の人形を作り、五寸釘を持って近くの神社の木にそれを打ちつけるという、これ、ほんとの話だったら相当恐いですよ。
まぁ、この短篇は別格(?)として、どれもよくできた小説でした。見たくないものを無理矢理見せつけられるような、でも、ちょっと見てみたいような、なんともいえない味わいです。恐るべし車谷。
「鹽壺の匙」の前にこれを読んでみました。
7編が収められている短篇集。どれもこれもなかなかいいんですが、とりわけ「ある平凡」「児玉まで」がよかった。同作家の小説は、エッセイかと思うような、もうほとんど事実をありのままに書いたものが多いんですが、先にあげた2編は、かなりフィクションに近いような、いわゆる「普通の小説」になってます。まぁ半分くらいは実体験なんでしょうが。これくらいの匙加減がいいですね。
「変」という短篇に至っては、自分の小説が芥川賞を落選したことを根に持ち、紙を切り抜いて銓衡委員9人の人形を作り、五寸釘を持って近くの神社の木にそれを打ちつけるという、これ、ほんとの話だったら相当恐いですよ。
まぁ、この短篇は別格(?)として、どれもよくできた小説でした。見たくないものを無理矢理見せつけられるような、でも、ちょっと見てみたいような、なんともいえない味わいです。恐るべし車谷。