昭和のマロ

昭和に生きた世代の経験談、最近の世相への感想などを綴る。

8月7日(金)のつぶやき

2015-08-08 04:51:13 | ある倉庫係

70年談話は自らの反省と同時に、今後の世界平和を築くためのより建設的なものでなければならない。 goo.gl/tFqxOu



小説<手術室から>(9)村上 晶先生(1)

2015-08-08 03:31:49 | 小説・手術室から
 S総合病院の眼科は外来の患者でいっぱいだった。
 
 ・・・目の悪い人ってこんなにいるんだ・・・
 近郊、あるいは遠方からも訪れたのだろう。5、60ある待合の席はほぼ満たされている。
 その他にも中待合に10人ほど、検査中の者も5,6人いるようだ。

 気になる先生の名札を探した。
 診察室の仕切りに対応して番号札が振ってある。
 
 村上 晶先生の名前は8つある診察室の二番目に掛っていた。
 
 呼ばれるまで時間がかかりそうだが、だからといってぶらぶらと席を外すわけにもいかない。
 スラブ系だろうか、背の高い外人の男性が忙しく歩き回る医師や看護師に目をやりながら、壁際に所在なげに突っ立っている。
 
 白衣を着ているところを見ると研修医なのかもしれない。
 みんな忙しすぎて面倒を見てもらえないのだろう。
 彼にでも任せられる仕事はたぶんあるはずだ。
 忙しく立ち働く中でぼーっとした存在が気にならないのだろうか?

 満席の待合室の中にテレビでよく見る顔をみつけた。
 
 本人はできるだけ目立たないように静かに小さく見せているつもりのようだが、肩の厳つい強面の顔は隠そうとしてもムリだ。
 あの朝ドラのヒロインの旦那に違いない。
 秀三は見かけはかわいいのに芯のあるあの女優が好きだった。
 彼女がこともあろうに、この武骨な顔の男と結婚したと聞いた時は信じられなかった。

 周りの人たちはすべて気づいているはずだが、そんな本人の気持ちを尊重してかみんな知らん顔をしている。
 しかし、呼ばれて診察室へゆったりと歩を進めるさまは、明らかに自分は衆目を集めているスターだという意識をその背に染め上げていた。
 そして呼ばれた先は予想した通り、1番札の掛った部屋だった。
 たぶん眼科部長の部屋なのだろう。

 ─続く─

 <好奇心コーナー>
 

 渡部香生子(18)さんが世界水泳200メートル平泳ぎで圧巻の追い上げ、メドレーの銀に続いて金メタルをゲット、リオオリンピック出場を確実にした。
 
 笑顔がすばらしい。