町田市議会議員 山下てつや “獅子奮迅”

てつやではたらく“山下てつや”が日々の活動や出来事、お知らせしたいことを報告します。

東温市 とうおん次世代エネルーギーパーク 株式会社コスモ精機 トロピカルフルーツの温室栽培を視察

2015年02月16日 | 活動日誌

経済産業省では、再生可能エネルギーをはじめとした次世代のエネルギーに、実際に国民が見て触れる機会を増やすことを通じて、地球環境と調和した将来のエネルギーの在り方に関する国民の理解の増進を図るため、太陽光等の次世代エネルギー設備や体験施設等を整備した「次世代エネルギーパーク」を推進しています。とうおん次世代エネルギーパークは、その認定を受けた計画のひとつです。

東温市では、「環境と健康」を最重要施策として「東温市環のまちづくりプロジェクト」を推進しています。その一部が「とうおん次世代エネルギーパーク」であり、市内全域をそのフィールドとしています。「環境」と「防災」の視点から市内全域に整備された再生可能エネルギー設備を見学し、次世代エネルギーのあり方を多くの人に感じてもらうことを目指してます。

㈱コスモエ精機 エコボイラーを活用したトロピカルフルーツの温室栽培を視察

同社は、金型製造により事業を起こした会社ですが、中小企業が、存続していくうえで、事業の多角化を進めることが必要であると判断し、現在、主に4つの事業に取り組んでいます。金型製造、アミューズメント、輸入機器販売・レンタル、アグリ事業となっており、アミューズメントと輸入機器販売・レンタルについては、ダーツ関連商品を扱っていることから、事業としての相乗効果がある関連性がありますが、基本的には、関連性のある事業を求めず、異業種異分野となる事業を、それぞれ行っています。この理由としては、中小企業が不況に打ち勝っていくには、ひとつの業界動向に左右されない体質となる必要があるとの判断によるものと考えられます。

アグリ事業部では、自社のハウス栽培により生産されるトロピカルフルーツの販売や、酒・お菓子への加工販売を行っています。主に南国で生産されるトロピカルフルーツは、日本では馴染みがうすく、スーパーなどでの店頭販売がほとんどされていないことから、国内生産による安全・安心なトロピカルフルーツの生産・供給を目指し、ブランド化をして事業に取り組んでいます。

トロピカルフルーツの生産には、温暖な気候条件が必要とされるように、ハウス栽培においても、暖房による温度管理が重要な要素であり、その管理には、通常多額の費用を必要とし、事業の採算を確保する上で、大きな障害となることが、想定されますが、同社では、特殊なボイラーを使用して、燃料コストを大幅に削減することに成功しています。また、国内産のトロピカルフルーツは、希少性が高く、通常の果物と比較して、付加価値が極めて高いことから、安定した生産が可能となれば、高い収益性を確保できると判断しています。この2点が、事業の有効性を判断する上での大きなポイントとなっているようです。

特殊なボイラーとは、エコボイラという株式会社エコボイラの商品で、このエコボイラの最大の特徴は、木質系バイオマスであればペレットやチップなどに加工しなくても、形状を問わず、すべてを燃料として温風や温水に熱変換できることにあります。これまでは、廃材をそのまま燃やす暖房装置は、廃材を適切に燃やすために燃焼速度を制御する必要があるため、その実用化が非常に困難とされてきました。しかしながら、独自の特許技術により、ペレットやチップといった加工済みバイオマスを購入せず、身近にある廃材等の木質系バイオマスを効果的に燃焼させるための実用化に、エコボイラは、成功しています。

エコボイラのHPの説明によると、従来の薪ストーブやボイラーは酸素を横や下から供給するため、燃料全体が燃え広がるのに比べ、エコボイラは上から酸素を供給することで燃焼速度を自由にコントロールでき、燃料全体を線香のように低い温度で上から徐々に燃やすしくみとなっており、木材が一度に燃え尽きず、こまめに燃料をくべつづけなくても長時間の持続運転が可能とのこと。

実際に、視察した温室約1000㎡で使われているエコボイラは、一度に2トン程度までの投入が可能で、一番、寒い時期で、一度の投入で、2日間程度持たせることができ、12月であれば、約1週間持たせることができるとのこと。

燃料は家屋解体で出る廃材や製材所の端材や合板、間伐材や林地残材、野菜の収穫後に残る茎や枝、おがくずや麦わら、竹など、木質系バイオマスであれば形状を問わないことから、極めて、調達がしやすく、燃料調達コストを大幅に下げる効果を期待できます。このハウスでは、間伐材を持ち込み価格で、約3000円/トン(3円/kg)で入手しており、その他、廃材、木屑などの無料の燃料も使用していることから、化石燃料に比べ燃料代を1/10程度に抑えられているとのこと。ボイラーの初期投資は、およそ、石油系の5倍程度と割高になりますか、ランニングコストが安いことから、極めて経済性の高い投資です。

同社では、これまで、農業に関連した事業に取り組んできていないことから、実務経験がなかったのですが、農学部出身者を採用して、専門知識を持った従業員を確保しています。苗木は、すべて、輸入しており、すでに、事業を始めて6年が経過していることから、収穫も安定してきています。ドラゴンフルーツでは、平均して、一つの苗木から30個/程度の収穫実績が確認されています。

現在、販売面では、収穫を保証した苗木のオーナー制度による販売、ハウス見学にきた観光客への即売、インターネットよる販売、輸出による販売、また、自社による酒・お菓子に加工しての販売を行っている。これまでの経験から、仕入、生産、販売のノウハウは、積み上がってきており、今後は、本格的な量産を行う方向で事業を進める意向のようです。近隣では、後継者不在により、休耕地が増えてきていることから、農地を借受けることや、設備や苗木を提供して生産を委託することなども検討しています。

町田市でも、多くのハウス農家が燃料高に苦慮しているとのことから、参考になる取り組みであり、間伐材、廃材などの安価な木質バイオマスを使用したエコボイラの使用は、まちだシルクメロンの栽培にも、有効であると考えられます。




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