今の道路特定財源の一般財源化や暫定税率の引き下げの議論からすると、今後のガソリン、軽油といった自動車燃料の消費をどう捉えているのか、どう考えているのかなどの疑問をもたざるをえない。今後の中期的な石油製品の需要予測に基づいて、税収を予測して議論がなされているとは思う。しかしながら、原油高が今後も引き続き維持され、将来的に、さらに値上がりが予測されるならば、劇的に税収の裏づけとなるガソリンや軽油の需要が落ちることも視野に入れるべきだ。ハイブリッド車に代表される低燃費車や石油製品以外をエネルギー源とする自動車の普及が飛躍的に見込まれるのではないかと思う。資源の無い日本にとっては、急激な石油エネルギー利用の低下が望ましいことであり、日本の技術力では、かなりの石油資源の省エネが進むのではないか。むしろ日本は劇的な石油資源利用からの脱皮を目指し、具体的な方向性や施策を打ち出すべきである。そして、このことは暫定税率による道路特定財源の税収の裏づけとなるガソリンや軽油の消費の急激な落ち込みが起きる可能性を意味している。これは、繰り返しになるが、石油資源の乏しい日本にとって、直接、生産力の向上に効果を表わす点で、望ましいことであり、環境立国を目指す日本にとって、進むべき道であると思う。そして、尚且つ、自動車燃料の負担についても軽減され、国民にとっても、理解しやすいメッセージとなる。道路財源の確保を真剣に考えるならば、税制や暫定税率アップも視野に入れ、議論を交わすべきだ。
こうした点から、今の国会の議論は、今後のわが国におけるエネルギー源として、劇的に需給環境が変わった石油資源をどう利用していくべきかについて、全く修正がなされず進んでおり、資源のないわが国にとってあまりに視野が狭い議論ではないのか。