さて、昨日から、いよいよ国会論戦がスタートしました。鳩山首相は、就任後初めての所信表明演説となりました。注目されるマニフェストに関しては、「4年間の国民との契約であり、必ず実現する。」と明言しています。
また、代表質問の答弁で、消費税の増税をする必要はないとして、平成22年度予算編成についても「すべて予算を組み替え、新たな財源を見出していく」と強調しています。
鳩山政権は、脱官僚、政治主導を掲げ、政権交代の旗印としてきました。初めての国会でけに、論戦への国民の期待も大きいわけですが、マニフェスト実現の財源を追求されると「あなた方に言われたくない。こんな財政にしたのはだれなのか」と前政権に責任転嫁したそうである。
そもそも政治主導による予算の組み替えとは、いったい何を意味するのであろうか。八つ場ダムの問題一つとってみても、中止の理由が明確にされず、具体的な根拠が示されていない。財源捻出への具体策を示せないことと共通し、今後の方向性がまったく見えてこない。来年度の予算編成における組み替えによる新たな財源捻出も、これでは期待できない。
こうした事態にいたっていることは、政権交代したばかりだからとの理由をあげるかもしれないが、私は、もっと大きな問題が隠されていると思う。それは、国民生活の実態や政策の有効性などについて現場の声をよく知らないのではないかということだ。それゆえに、現実的な根拠を問われると、はっきりしたことが言えないのではないかと思う。
政権交代をして、確かに時間はあまり経っていないが、脱官僚を掲げるならば、野党時代に現場を知り、政策を練る時間は十分あったはずだ。これでは、まさしく、政権後退を心配する人も多いのではないか。