さまざまなことを思い出す桜かな。町田に来たのも、ちょうど桜の季節を迎えるころだっただろうか。ちょうど学生時代大学4年を迎える春、雪深いスキー場から合宿を終えて帰ってきて、すぐの引越しとなった。
そのとき新居となった家の前は栗畑。その前に道を挟んで小学校があり、長閑な場所だなと思ったが、バス停やスーパーも近く、思ったより便利な場所だった。
両親、姉、妹、そして、私と犬二匹。犬は、こちらに来る前は仲がよかったのだが、急に喧嘩をするようになり、結局、犬小屋を増やすことになった。環境や立場がかわると、関係までも変わってしまうのは、どうやら人間だけではなさそうだ。
引っ越してきて、すぐ、家族で伊豆に行った。河津の民宿だった。桜は、もう散ってしまっていて、「今度は桜を見にこよう」と話したように記憶している。
もう、それから20年以上が過ぎた。結局は、河津桜を家族と見に行くことはなかった。両親は千葉に越し、姉も妹も結婚し、町田を離れた。私だけが町田に残り、現在にいたっている。
先日、高校時代の友人が河津桜を見に行ったときの写真を見ることができた。便利な時代、ネットで、しばし拝見しながら、いろんなことが思い起こされてきた。高校時代のこと、部活やクラスの仲間をはじめ、苦い思い出も。そして、家族と河津桜を見にいこうと話したことも、漸く思い出した。
さて、いよいよ新年度。役所は、人事異動や定年退職など、慌ただしい。今日は、この3月で定年退職をされる方数人、直接挨拶にうかがった。大変、お世話になった方もいて、しばし懇談もさせていただいた。
私が感心したのは、自分の後輩をしっかり育てている人がいることだ。当然、後任人事は自分が育てた人間を起用している。ここまでできているのは、役所の中では、非常に稀なことと感じたが、少なからず仕事ぶりを評価させていただいた方々が後継をつくっていたことは、喜ばしいこと。きっと、新たな人材がまた育ってくると期待している。
私も、新鮮な思いで、新年度を出発したい。