山下てつやです。
職場の先輩が、かつて、こんなことを言っていた。「潜水艦に燃料を売る仕事をしたときに、潜水艦の居場所がわからなくて困った。」
通常、船に燃料を給油する場合、船は航海中で動いているわけだから、給油船が丘側から燃料を積み、航海中の船とタイミングを取り、給油場所を確認をして給油船は移動する。しかしながら、潜水艦の場合、位置情報は機密事項にあたるのだろうから、潜水艦が海上に現れたところの出たとこ勝負で、その時点で、給油方法を検討しなければならない。
給油の仕事を受けている会社は優良な大企業である。位置情報を厳格に扱い、情報管理体制がしっかりしているはずだから、「情報提供をしてもいいのでは」と思う方もいるかもしれない。しかしながら、情報の内容が国家間の問題であり、防衛上の機密事項となれば、国が情報管理に責任をもって関わっていないことが、提供する側すれば大きな障害となる。
今回の秘密保護法の意味は、このように考えると、外国から見た日本の情報管理体制が、どのように認識されるかが第一の問題であることが理解される。
公務員にも、民間企業にも守秘義務があるし、現実に、その義務はかなりの高いレベルで守れているのが日本の社会だとしても、それを高いレベルで担保するしくみがないと、透明性の高い会計報告書がない会社に大金は貸せないのと一緒で、やはり、国家レベルの情報提供はできないというのは、当然といえる。
秘密保護という仰々しい言い方は、国民への政府の対応というより、情報提供を行う諸外国への日本政府の姿勢をアピールしている表現なのかもしれない。
いずれにしても、この法律への理解は、マスコミ報道の影響もあり、あまりにも低いように感じる。国会議員がわかりやすく説明して、国民の理解を得ることを期待している。
それにしても、快晴の天気にもかかわらず、寒い。夜ともなると、冷蔵庫の中にいるような感じになる。それだけに、支援者からいただいた励ましの声は、一層温かみを増してくるように感じる。
それではまた。
図師町から夕日