先日、懇談した市内企業の社長の会社は、女性が活躍している職場との印象を受けました。人の採用は、職安を通してのみ行っていて、会社案内も、通常、企業がお金をかけてつくったようなものではなく、ただ、いくつかの項目を載せただけの社内で印刷されたものでした。それでも、十分戦力となる女性社員の確保がなされていて、一人の求人に対して、14~15倍の応募があるようです。商品の企画、開発というものですから、誰にでもできるようなものではなく、それなりに経験や能力が必要な分野だと思います。
採用される女性は、ほぼ、家庭の主婦だそうです。育児や家庭との両立が、ご本人にとっては、仕事をする上での前提条件となっています。要するに、能力が最大限に発揮される職場、あるいは、収入といった通常の職場選びの基準以前に、家庭や育児との両立ができることを前提として、職場選びをしているのです。
そこで、これを企業の側から考えてみると、家庭や育児を両立できる働き方を提供できれば、能力のある人材を確保できるチャンスが多分にあるということになります。
懇談をした社長の会社は、まさしく、そのような人材を獲得しているのだと思います。また、都心部に比べれば、明らかに、人件費も低く抑えられていると思います。
この会社では、産休、育休をしっかりとらせているのですが、そのたび、人手が足りなくなることから、新たな女性を採用することになります。しかしながら、当然のことながら、復帰をしてくるわけですから、その分、人が増えます。その分、仕事も増やさなくてはならなくなります。結果的に、そのようなことを繰り返しているうちに業績も伸ばしてきたというのです。
このような事実からすると、市内の中小、零細企業も、高い人件費を出さなくても、優秀な人材を確保できる可能性は十分にあるのではないかと思います。そこでキーになるのは、女性、そして、多様な働き方となります。
国は、地方創生をうたい、女性の活力をいかせる社会を目指しています。女性の能力を活かして、地域に活力を見出していくには、子育て、家庭との両立を支援していくことは、大変、重要なこととあらためて感じています。
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