暑い最中ですが、荒川区まで行き節電対策について、視察をしました。街なか避暑地事業、節電マイレージ事業など、3.11以後の電力需給逼迫の状況を受け、区独自で始めた取り組みを視察しました。
節電対策を荒川区で所管しているのは、環境清掃部環境課です。節電対策は、庁内においては、他部門に跨る事業だけに、調整能力が問われるわけですが、区長からトップダウンの方針により、節電対策の大枠が示されたことから、それをテコにして、全庁的な取り組みを展開しています。
区長は、元経済産業副大臣。柏崎原発が停止した際に、電力需給逼迫への対応をした経験があることから、区長として、節電対策をリード。ユニークな話題性のある事業をして、荒川区に止まらず、全国に節電を浸透させたいとの狙いがあるようです。また、23区区長会会長でもあることから、23区を牽引する対応策を、早くから検討したようです。
3月議会が終了して、年度予算が確定した後に、節電対策を策定したことから、限られた予算、人員で、どれだけ知恵を出し、工夫をして実効性の高いものにするか、現場の苦労は大きかったのではないかと思います。
街なか避暑地事業は、家庭の冷房を停止して区施設を利用することにより、家庭における電気の使用を抑制し、区全体の節電効果を向上させるとともに、併せて孤立しがちな高齢者の熱中症対策を図るものです。施設では、水分を補給できる給水設備を開放して、ミニ落語などさまざまな企画を行い、コミュニティの形成に一役買っています。
視察をしたふれいあい館は、子ども連れの若い親子連れや、夏休みであることから、中高生まで、施設のさまざまな場所で、暑さから逃れて過ごす光景が見られました。公共施設が住民にとって有効利用されているのが、実感できました。
公共施設のこうした利用は、本来、行われていたはずですが、震災後の節電を楽しく行うことを重要視して、広報を一工夫したことが、この事業の大きなポイントのようです。
節電マイレージ事業は、昨年同月比、どれだけ節電できるているか、数値を出して、一定の成果があると、景品をプレゼントする事業です。節電といっても、楽しみながらすることが大事だということが前提にあっての取り組みです。将来的に、節電を区民に定着させることが狙いです。
今回の視察では、どのように節電対策を浸透させるのかという点では、広報の重要性を改めて感じることとなりました。町田市においても、ぜひとも、活かしていきたいポイントです。
節電対策本部を区長が本部長となり立ち上げ、区をあげて取り組んでいることも、大きなポイントです。やはり、トップダウンは緊急時には大事でることを実感。担当課は、この節電対策を将来的には、節電以上に大きなテーマである地球温暖化対策に結びつけたいとの意気込みを語ってくれました。
街なか避暑地を実施してる公共施設の区内配置図。
節電対策では、徹底した広報により、区民への浸透をはかったことが、大きな成果につながったようです。
ここは、廊下スペースですが、街なか避暑地のスペースとして活用しています。中学生が宿題をしているようです。
区民の方のご厚意で、施設で行われていたスポーツ吹き矢の活動に飛び入り参加。区民の方からは、「荒川いいとこだろ!」と。となりは、おく栄一議員。二人とも真剣です。
荒川では、公民館を「ふれあい館」呼んでいます。子どもからご高齢の方まで集える施設です。中には、学童保育クラブもあります。音楽室、ミニ体育館、そして一体的に消防団の詰所がある多機能型施設です。今年、4月にオープン。指定管理者さんの創意工夫もすばらしく、夏休みの企画で、中高生の宿泊体験も行っています。大好評だったようです。